ZoomなどWeb会議ができる場所がないという悩みは多いです。リモート会議は、家以外の個室ブースやカフェなど外出先でもできますが、他の利用客やセキュリティに配慮が必要です。本記事では、家以外のWeb会議におすすめの場所や選び方を紹介します。またオンライン会議の方法やよくあるトラブルも解説します。
働き方改革や感染症対策の影響で、会議をZoomなどのツールを利用してオンラインでおこなう企業が増えました。しかし、Web会議が導入されたものの、自宅にWeb会議ができる場所がないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
リモート会議は、家以外のブースやカフェ・飲食店などでもおこなうことができます。しかし、他の利用客やセキュリティに配慮する必要があり、どこでも自由にWeb会議をしてよいわけではありません。
本記事では、家以外や社外でのWeb会議におすすめの場所や選び方を紹介します。さらにWeb会議のトラブルへの対処法も解説するので、リモート会議に不慣れな人もぜひ参考にしてください。
Web会議は業務にかかわる話し合いをおこなう場なので、どこでも場所を選ばずに参加できるわけではありません。この章では、Web会議に適した場所か判断するポイントを3つ紹介します。
まず、通信環境が安定した場所でないとWeb会議の進行に支障をきたす恐れがあります。安定した高速通信が可能な環境を選びましょう。
Web会議には、上りが1Mbps以上で下りが10~30Mbps以上の回線速度が必要です。これを下回ると、映像が固まったり音声が途切れたりする可能性があります。使用中の回線速度を測定できるサイトを利用することもおすすめです。
Web会議ができるとうたっている場所でも、回線速度が遅かったり回線が混んでいたりすることがあるため、利用する前に高速通信が可能な環境か確認しましょう。
会社の重要事項を話し合う可能性も考えられるため、Web会議の場所を探すならセキュリティ面にも留意しましょう。会話が筒抜けになるような場所や、通信のセキュリティが甘い場所では情報漏洩の危険があります。
会議中の声が聞かれないかはもちろん、画面を周囲に見られないかどうかも気を付けましょう。会議中は、発言者のパソコン画面を共有し、スライドなどを表示することも多いためです。不特定多数に会議の内容を知られない場所がおすすめです。
また、不正アクセスなど通信面のセキュリティリスクもあります。暗号化されたネットワークを使い、ハッキングなどに気を付けましょう。
場所によっては、複数人でWeb会議設備を利用できる施設やブースもあります。同じ場所を複数人で利用するなら、十分なスペースがあるか、インターネットが混線しないかなど、参加人数に適した環境を選びましょう。
例えばWeb会議専用のブースは、1人用や2~3人用など、人数に合わせて部屋を選んで利用できます。大人数で参加するなら、Web会議専用のブースなどにこだわらず、フレキシブルオフィスなどを利用するのもよいでしょう。
フレキシブルオフィスについて詳しく解説したこちらの記事もおすすめです。
「話題のフレキシブルオフィスとは?メリットや利用の流れを徹底解説」
会社外でWeb会議に参加する場合、参加者の自宅以外にもさまざまな場所が考えられます。それぞれの特徴を理解して、自分や企業に向いている場所を探しましょう。
まず、参加者の自宅にWeb会議ができる環境があれば、手軽で安全に参加できるのでおすすめです。
出社や外出が難しい状況でも、自宅なら簡単にWeb会議に参加できます。ただし自宅で会議に参加するには、パソコンと高速通信が可能なインターネット回線、Webカメラ、マイクなどの設備が必要です。
設備が整っていれば、会議内容を誰かに聞かれたり、画面をのぞかれたりする心配はありません。また、カメラにプライベートなものを映したくない人は、Web会議ツールによっては背景を素材画像に切り替える機能を利用できます。
コワーキングスペースとは、さまざまな人が利用できる共同オフィスのことです。多様な業種や職種の人が利用できるように、オフィス設備や通信環境が整っている点がメリットです。
開けたスペースになっているイメージもあるかもしれませんが、場所によっては個室やWeb会議専用のブースが設けられていることもあります。Web会議のスペースとして利用するなら、そうしたスペースが利用できる施設を選びましょう。
貸し会議室やレンタルスペース・レンタルオフィスを利用するのもおすすめです。
時間や借りるスペースの広さによって料金が異なり、必要な時間・人数分に適した場所を確保できます。複数人で同じ施設を利用してWeb会議に参加したい場合にも向いています。
施設によっては、あらかじめオフィス設備が整っているところも多いです。Web会議での利用を推奨している施設を探すとよいでしょう。その際は、条件で絞って検索できるアプリを利用するのもおすすめです。
会社が設置しているなら、サテライトオフィスの利用もおすすめです。サテライトオフィスとは、会社がメインのオフィスとは別に設置する勤務場所のことで、従業員の通勤時間の短縮や自由な働き方の推進に役立っています。
サテライトオフィスは、通常の業務ができるようにオフィス設備やインターネット回線が整っています。また会社の人しか使用できないため、情報漏洩のリスクが低い点もメリットでしょう。
最近ではカラオケボックスに行って仕事をする人も増えています。店舗によっては、ワーカー向けのプランを用意していることもあります。
カラオケボックスは遮音性に優れ、個室であるためセキュリティに強い点がメリットです。また、コワーキングスペースやレンタルオフィスなどを借りるよりも安価で利用できます。
ただし、周囲の利用客の声が聞こえやすいことや、利用できるインターネット回線のセキュリティ面に不安が残ることなどはデメリットです。
ビジネスホテルでもWeb会議に参加することができます。1泊して利用することはもちろん、ホテルによってはWeb会議プランとして、短時間部屋に滞在できるプランも利用可能です。1泊するよりも安価で利用できるので、注目が集まっています。
ホテルのメリットは、個室であることでセキュリティが守られることや、発言や聞き取りがしやすいこと、片付いた清潔な空間を背景に映せることなどが挙げられます。
また、ホテルによっては複数人で利用できるプランもあるので、会議室のような使い方もおすすめです。
ネットカフェでもWeb会議に参加できます。セキュリティリスクを考えると、個室で鍵がかけられるブースの利用がおすすめです。
ネットカフェは、店舗で大勢の利用客がインターネットを利用することを想定しているため、高速通信が可能な環境が整っています。
また、店舗によってはWeb会議に使うWebカメラやマイクのレンタルも可能です。Web会議に必要なアプリがインストールされた専用のブースが利用できるプランもあります。
昨今のリモートワークの普及を受け、公共施設や商業施設にテレワークブースの設置が増えました。テレワークブースは大きなテレフォンボックスのような見た目で、指定した時間だけ利用でき、個室で集中できるため人気を集めています。
パソコンやインターネット回線など、必要な設備が整っているため、重たいパソコンなどを持ち歩く必要はありません。個室で遮音性が高く、セキュリティリスクにも備えられます。
利用場所の検索や予約もインターネットでできるので、興味がある人は一度検索してみることをおすすめします。
Web会議は社内でおこなうこともできます。既存の部屋を利用することはもちろん、この機会にWeb会議専用のスペースやブースを作ることもおすすめです。社内でおすすめのWeb会議場所を2つ紹介します。
まず、社内の既存の会議室を使う方法です。複数人でも利用しやすく、もちろん情報漏洩のリスクも低いです。
別途Web会議用の場所を用意しなくてもよいので、手間がかからないメリットがあります。
ただし、会議室は数が限られているので、時間帯によっては利用できない人が出てくる場合もあります。また、Web会議に利用してしまうと、会議室に集まってオフライン会議をしたい人が困るかもしれません。
Web会議に会議室を利用するデメリットの対策として、Web会議専用のブースを設けることをおすすめします。専用ブースを設けることで、周囲の人の仕事を邪魔することなく、自分もWeb会議に集中できるでしょう。
専用ブースには、フルクローズ型・セミクローズ型・オープン型の3種類があります。特徴や主な用途をまとめました。
ブースの種類 | フルクローズ型 | セミクローズ型 | オープン型 |
特徴 | 壁・天井・床のすべてが囲まれた完全個室 | 壁がすべて囲まれた半個室 | 3つの面が壁に囲まれている半個室 |
主な用途 | ・重要な情報を扱うWeb会議や商談 | ・Web会議 | ・Web会議 |
オープン型が最も導入費用が安く、比較的取り入れやすいです。カーテンやパーテーションで仕切って簡易的なブースを作ることもできます。
次に、Web会議で起こりやすいトラブルとその対処法を解説します。Web会議でトラブルが起こると、重要な話し合いに参加できなかったり、大切な連絡を聞き逃したりする恐れがあります。トラブルに備えて、会議を円滑に進めましょう。
通信環境による問題はWeb会議で起こりやすいトラブルです。オンラインでの業務を円滑におこなうには、高速な通信環境を整える必要があります。そこで、モバイルWi-Fiの利用がおすすめです。
モバイルWi-Fiとは、持ち運びができるWi-Fiルーターです。スマートフォンくらいの大きさで簡単に持ち運びができ、手持ちのパソコンなどの通信機器を接続することができます。モバイルWi-Fiを持っていれば、通信環境に不安がある場所でもWeb会議ができて便利です。
お店で利用できるフリーWi-Fiはセキュリティ面に不安があり、スマートフォンのテザリングは通信容量やバッテリーの消費が激しいデメリットがあります。モバイルWi-Fiは安全かつ簡単にインターネット接続ができ、高速通信も可能です。会社によっては容量無制限で利用できるプランもあります。
「マイクのノイズがひどく、話しても聞き取ってもらえない」「周囲の音がうるさくて集中できない」など、音質のトラブルもWeb会議につきものです。
ノイズがひどい場合は接続状況を確かめたり、より音質のよいマイクに買い換えたりするとよいでしょう。ノイズキャンセル機能がついたヘッドセットなら、周囲の音を気にすることなく相手に自分の声を伝えることができます。
また、複数人で参加する場合は集音範囲が広い無指向性のマイク、1人で参加するなら単一指向性のマイクなど、目的に合った機器を選ぶことも大切です。
Web会議に対して、「部屋の様子を映したくない」「周囲の人に画面を見られないか不安」などの悩みを持つ人も多いです。プライベートへの配慮には、Web会議ツールにある機能を使いましょう。
特にバーチャル背景の機能は便利です。利用すると、自動的に背景が素材画像に切り替わるので、室内の様子を隠すことができます。背景に利用する画像は自分で選べるので、ビジネスシーンに適したものを選びましょう。
また、自宅以外でWeb会議に参加する場合は、パソコンにのぞき見防止フィルターやフィルムを貼り付けるのもおすすめです。
最後に、Web会議に参加する際によくある疑問を紹介します。
リモートワークで、カフェや喫茶店などの飲食店を使用している人も多いでしょう。しかし、そういった不特定多数の人が利用する場所はWeb会議には向いていません。会議の内容が聞こえてしまったり、会議の発言時に周りの音が入って聞き取りにくくなったりするためです。
また、外出先でWeb会議に参加する場合、インターネットの接続にも気を遣う必要があります。誰でも利用できるフリーWi-Fiを提供しているお店や施設も多いですが、セキュリティ面に不安があるためWeb会議には向いていないでしょう。外でWeb会議をおこなうならモバイルWi-Fiの利用をおすすめします。
Web会議は、オフラインの会議とは別の点に留意する必要もあります。Web会議のマナーや注意点は次のとおりです。
通信環境や使用機器は事前に確認しておく
オンライン会議室に入室できるかのチェックを怠らない
仕事に適した服装や髪型でのぞむ
バーチャル背景はビジネスに適したものを選ぶ
発言しないときはミュートにする
タイムラグに留意して聞き取りや発言をする
円滑な会議を実現するには、まずWeb会議に問題なく参加できる環境を用意することが大切です。
社内の会議室を、通常の会議だけでなくWeb会議にも利用するとなると、ルールの整備が必要です。ルールが決められていなければ、社員同士のトラブルが発生する恐れもあります。
すべての従業員が気持ちよく会議室を利用できるように、社内で独自のルールを決めるようにしましょう。可能であれば、Web上で会議室の利用状況の確認や予約ができるシステムがあると便利です。
Web会議は、出社することなく社員でコミュニケーションが取れるため、業務の効率化に役立ちます。しかし、セキュリティや通信環境の問題で、参加する場所がないと悩む人も多いです。
社外でWeb会議に参加するなら、自宅の他にコワーキングスペースやサテライトオフィス、テレワークブースなどさまざまな選択肢があります。カラオケボックスやビジネスホテル、ネットカフェなどで、Web会議用のプランを用意していることもあるので調べてみましょう。
Web会議は遠方の社員や取引相手との連絡も取りやすくなるなど、リモートワークの普及にもつながる有意義なものです。適切な場所を見つけて、スムーズにWeb会議に参加しましょう。
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