新規事業を立ち上げたいと考えている中で、何に注目すればよいのか悩んでいませんか?本記事では新規事業の探し方や方向性の決め方など、狙い目の見つけ方を徹底解説。加えて事業を成功させるポイントと、これから狙い目となりうる市場もご紹介します。
新規事業を立ち上げたいと考えている中で、何に注目して探せばよいのかと悩んでいませんか?見るべき要点が分からなければ、何をポイントに判断すればいいのか迷うのは当然です。そこで本記事ではどこから新規事業を探すべきか、また方向性をどう決めるべきかなど狙い目の見つけ方を徹底解説。
加えて事業を成功させるポイントと、これから狙い目となりうる市場もご紹介します。これから新規事業の立ち上げを予定している方は必見です。
新規事業を立ち上げる際は、成功に繋がる狙い目をどのように見つけていけばよいのでしょうか。事業を作るといっても、ただアイデアを商品化するだけでは成功にはつながりません。そこでまずは新規事業の狙い目の見つけ方をご紹介します。
狙い目を見つけるポイントは以下の7つです。
既存事業から掘り下げる
競合が少ない分野を探す
イベントやセミナーに参加する
自治体に目を向ける
M&Aに目を向ける
新技術の分野から探す
外部の力を借りる
各ポイントを反映させて、事業のクオリティを上げていきましょう。
まずは、新規事業のために自社の既存事業から掘り下げてみてください。そうすることで、今まで得てきたニーズの情報や戦略を新規事業に活かすことができます。具体的には顧客の「〇〇が欲しい」という要望や、商品・サービスが選ばれた背景を探ることがおすすめです。
同時に既存事業で見えた自社の強みも認識しておきましょう。その強みを新規事業に活用できる可能性もあります。
新規事業で売り上げを上げたいのなら、可能であれば競合が少ない分野を狙いましょう。競合が多い分野で展開してしまうと、事業が伸び悩む可能性が出てきてしまいます。
例えば、ECサイト(オンラインショップ)などは多くの会社が参入している分野です。このような事業は、レッドオーシャン=競争が激しい分野のため、独自性がない限りは大きな売り上げを上げるのは難しいでしょう。
そのため、競合が少ないブルーオーシャンの分野を探してみてください。ライバルが少なければ事業が注目されたときに需要が集中するため、利益を独占できる可能性があります。
イベントやセミナーも、新規事業のアイデアを得るために狙い目の場所です。事業の運用に関するアイデアならビジネスコミュニティイベントやセミナー、事業自体のアイデアなら業界ごとの展覧会など、事業に活かせそうな場には積極的に参加してみましょう。企画のクオリティを上げるためには、このような他所から吸収が大切です。
参加することでより良いマーケティング方法のほか、いま人気の集まる分野やアイテムを知ることができるので、新しい事業アイデアのきっかけが得られるでしょう。
自治体マーケットに目を向けてみるのも1つでしょう。自治体マーケットとは、全国の自治体が民間へ事業を発注することで生まれる市場のことです。国が社会課題を解決するために主導しているため、市場の資金が潤沢という特徴があります。
例えば市町村が開催するイベントなどに、参加したことがある方も多いのではないでしょうか。これらに関わる人・物・サービスなどは、立派な1つのマーケットとなっています。その他にも地産地消の食品を使った事業や地域貢献のための事業など、特定の物品の調達やサービス分野が多い傾向があります。
それらに該当する事業を展開する予定なら、市場の1つとして検討しておいて損はないでしょう。
M&A=合併&買収に目を向けておくこともおすすめします。最近どんな事業でM&Aが行われたか、その背景とともに調査してみましょう。
合併や買収というと、マイナスなイメージを持つ人も多いかもしれませんが、M&Aを行ったということは、その事業に価値を見出している会社がいるということです。つまりその事業は、顧客が増えることが見込めるとみなされている可能性があります。
このような動きを分析することで、同じ分野で新たなアプローチを持った新規事業を考案することもできるかもしれません。
新技術の分野は立ち上げは難しくとも、これから成長していく可能性や競合が少ないことを考えると、狙い目といえるでしょう。一から構築を行い、自社ノウハウを使えない場合も考えると、多くのリソースがかかることは無視できませんが、注目度が高い技術なら見込みがあるかもしれません。
また、新技術の分野自体への参入は困難だったとしても、その周辺分野で活躍できる可能性もあります。一見無関係そうな新技術でも、周辺分野などでチャンスがあるかもしれないので、定期的に新技術についてチェックしておくことがおすすめです。
新規事業では外部の力を借りることも大切です。外部のノウハウや専門家のリソースを投入すれば、より一層新規事業の完成度を高められる可能性があるためです。
事業にかかるお金を考えると、なるべく自社内で作りたいと考える方も多いかもしれません。しかし新規事業のためのリソースを削り過ぎると、企画自体が薄っぺらいものとなってしまうでしょう。そのため、専門的な視点が足りないと感じたのなら、積極的に外部のノウハウを取り入れてみることをおすすめします。
狙い目の事業といっても、そこを選んで事業展開するだけで成功が確約されるわけではありません。そこでここからは事業を成功させるポイントをご紹介します。今回ご紹介するポイントは以下の7つです。
狙い目を絞る
事業のトレンドを把握する
適切なビジネスモデルの設計
参入の障壁を考える
経営資源の理解を深める
意思決定は迅速に
仕組みを作る
以下で各ポイントを詳しく解説していきます。
事業では売り出していくターゲットを絞ることが大切です。なぜなら、想定するターゲットに合わせたマーケティングをしていく必要があるからです。ターゲットが曖昧であると無難なアプローチしか打ち出すことができないため、目が留まりにくいうえに商品価値も伝わらなくなってしまいます。
例えば以下のようなパターンでは、どちらが目を引くでしょうか?
事業例 | 事業デザイン | 宣伝方法 |
フラワーショップA | 誰でも見やすいシンプルなデザインとオールマイティーなラインナップ | オフライン広告中心で簡単なSNS宣伝のみ |
フラワーショップB | 20~30代を意識したおしゃれで洗練されたデザイン・特別な時間を感じられるラインナップ | ほぼオンライン広告のみ。実用イメージがわかるように、おしゃれなSNS宣伝を多く行ってアピール。 |
比較すると、ターゲットを絞ったフラワーショップBのほうが、より印象が残るはずです。逆にターゲットを絞ることで、そこから外れてしまう人が事業へ繋がりにくくなるともいえます。しかし、一番需要があるコアな消費者が繋がりやすくなるため、ターゲットを絞ることは欠かせません。
事業のトレンドを把握しておくことも、新規事業の展開には必要不可欠です。具体的には、どんなサービスや商品が主流となっているのか、参入する市場の状態、将来性やリスクについて分析しておきましょう。
これらの分析は、求められる形で事業展開するためや、成長戦略とリスクへの対策を取るためにも必要です。
市場でうまく展開していくために、適切なビジネスモデルを設計しておくこともポイントです。例えば、事業と市場の分析を踏まえて「〇〇の人が〇〇のために利用して、〇〇のシーンに活用する。これにより顧客は〇〇を得られる。」といったように、具体的なビジネスモデルを作るのが理想的です。
このようなモデルを参考にすることで、顧客が求めるものを予測することができるため、より完成度が高い事業に仕上げることができます。また、ビジネスモデルが明確になれば、より効果的な宣伝方法なども検討しやすくなるでしょう。
新規事業に参入するにあたって、どんな障壁があるのか分析しておくこともおすすめします。多くの会社では、以下のような点が障壁として挙がることが多いとされます。
規模の経済性が働くか
製品の差別化が存在するか
巨額の投資が必要か
仕入れ先を変更するコストは大きいか
流通チャネルの確保は難しいか
規模の経済性以外のコスト面での不利な点が存在するか
政府の政策による参入の制限や規制が存在するか
参入に対し強い報復が予想されるか
引用元:マイケル・ポーター(Porter,M.E.)著書 「競争の戦略」
つまり他社との差別化に加え、利益率やコストの面が障壁となることが多いということです。その他にもシステムやソフトウェア、人材の導入にも手間とお金がかかるため障壁になりやすいです。これらの障壁を検討し、どのように対処するか考えておくことも成功への鍵となるでしょう。
新規事業の立ち上げには、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の経営資源が必要になることも理解しておきましょう。
「ヒト」:事業の純粋な稼働のためと事業クオリティアップのため
「モノ」:自社の強みやノウハウを活かして新規事業を効果的にアプローチするため
「カネ」:事業自体を運営していくため
「情報」:方向性を決め、計画に必要な情報を集めて完成度を高めるため
これに対しそれぞれ課題とされるものと、それに対する解決法があります。
経営資源 | 課題 | 解決法 |
ヒト |
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|
モノ |
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|
カネ |
|
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情報 |
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|
これらの4つの経営資源において、どのようなものが必要か分析を進め、理解を深めるようにしておきましょう。
丁寧に事業を構築することは重要ですが、意思決定を迅速にすることもポイントです。新規事業の立ち上げに、時間を無駄にかけすぎてしまうと、コストだけがかかりすぎてしまったり、内容が煮詰まりすぎてしまったりすることがあります。
そのため、良い悪いや方向性など、意思決定は悩み過ぎずに迅速に行ってください。
また決定する際は、役職の高い1~3人に絞って最終決定を行うと効率的です。外部コンサルなどに意見を聞くとしても、スピード感を意識して時間がかかりすぎないようにしましょう。
事業は立ち上げただけでは、その存続が保証されるわけではありません。そのため、事業の寿命を長くするためにも、経営における成長戦略を練っておきましょう。事業を持続するために必要になる資源や成長の推移に合わせた対策など、明確な仕組みを作っておくことで寿命を伸ばすことができます。
また、事業の成長過程では思うように収益が出ないことも予測されます。そこでモチベーションが落ちてしまわないようにする仕組みも考えておいてください。
事業においては、売り上げが見込めない市場に手を出すことはリスクが高いといえます。だからこそ事業を成功させるためには、狙い目となりうる市場をしっかり見定めることが必要です。
ここからは狙い目となりうる市場を5つご紹介します。
クロステック
巣ごもり関連分野
地方創生による支援事業
ネットマーケティング分野
人手の少なくなった建築・修繕関係
以下で各分野を詳しく解説します。気になる市場があったら、自社のケースで事業展開を検討してみてください。
今狙い目の市場は、既存の産業とテクノロジーを組み合わせた分野を意味するクロステック(CrossTech)です。すでに優位性のある事業に、新しい要素としてテクノロジーを組み合わせることで、需要がありながらも新しい体験を強みとすることができます。
クロステックにはさまざまな市場がありますが、特にこれからおすすめとなるのは「ヘルステック」と「フィンテック」です。
ヘルステック(HealthTech)とは、健康・医療とテクノロジーを組み合わせた分野で、主に予防医療を中心に多くの会社が展開しています。例えばスマホやウェアラブル端末で使えるダイエットアプリやサプリメントを、個人に合わせて処方するアプリなど、さまざまなものがあります。
予防医療は、いつになっても多くの人が興味を持つ普遍的な分野なため、もしテクノロジーに組み合わせた商品やコンテンツが作れそうな会社ならおすすめの1つです。
フィンテック(FinTech)とは、金融とテクノロジーを組み合わせた分野です。例えばコンビニやスーパーで、電子決済を使用したことはありませんか?それらの決済システムもフィンテックの1つです。さらに会計ソフトやモバイル決済のほか、最近注目される仮想通貨の技術もフィンテックに当てはまります。
これから先もモバイル決済や仮想通貨のような、金融とテクノロジーを組み合わせた事業はさらに発展することが予想されます。IT系のノウハウがある会社なら狙い目となる分野です。
2020年4月以降に新型コロナウイルス感染症が流行したことで、多くの会社がリモートワークなどに変わり、いわゆる巣ごもり需要が増えました。現在もそれは変わらず、引き続き家から利用できる便利なサービスには需要が見込めます。
具体的なサービスとして宅配サービス、フードデリバリー、サブスクなどが挙げられます。特にこれまでオンラインでは得られなかった物や体験などを家で楽しめるものは、狙い目となるので注目してみましょう。
新規事業として自治体マーケットもおすすめです。特に地方創生のための支援事業は多くの資金が投入されており、年間約12兆円の仕事が民間へ発注されているほどです。就農者支援、Webマーケティング支援、就労支援はもちろん、分野はさまざまなものがあるため一度検討してみることをおすすめします。
ネットマーケティングも狙い目の分野です。現在、商品やサービスをネット広告(Web広告)で宣伝することが一般的になり、ネットマーケティングは注目度が高い傾向があります。実際にネットでのプロモーションは集客力を左右する部分といえるため、大きく予算を投入する企業もいます。
そのため、それらのプロモーション方法を助けるネットマーケティング分野の事業に参入するのも、1つの手といえるでしょう。
人手が少なくなった建築・修繕関係も注目すべき分野です。特に建築関係は年々人手が少なくなっており、ニュースで取り上げられるほど人員確保が問題となっています。
例えば近年は建築・修繕に必要な技術を指導し、専門の施工をする職人を育成して経営するフランチャイズサービスなども一般的です。このような分野に知見がある会社なら検討してみる価値があるでしょう。
新しく事業を立ち上げるためには、狙い目となる分野を見つけ、ポイントを押さえて構築することが成功の鍵となります。
新規事業の狙い目の見つけ方も、既存事業から掘り下げたり競合が少ない分野を探したりするほか、イベント・セミナーへの参加や外部の力を借りるなど、さまざまな方法があります。
これらのポイントに沿って広く情報収集をしていきましょう。また、調査を元に狙い目を絞ったら、トレンドを反映した適切なビジネスモデルの設計も必要です。同時に経営資源と障壁についてもしっかり分析と対策を講じつつ、事業開始まで形にしていきましょう。
情報をしっかり精査し、ぜひ新規事業の成功へ繋げてください。
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