中規模オフィスへ移転を考えているものの「中規模オフィスってそもそもどのようなもの?」「定義ってあるの」といった疑問を抱えていませんか。本記事では、オフィスの拡大を検討中の方に向けて、ブランドごとの特徴や移転方法を解説します。
現在のオフィスが手狭に感じたときや、中規模オフィスの広さや設備が事業に必要だと感じ始めたときは、中規模オフィス移転を具体的に検討し始めるタイミングといえます。
オフィスが広くなるということは、物理的な影響だけではありません。オフィスの移転に伴い、レイアウト変更や家具、機器の買替えなど、新たな体制づくりを通して、作業効率化や快適な環境づくりにも影響を及ぼすでしょう。
本記事では、中規模オフィスの基礎知識や、大手デベロッパーが手掛ける中規模オフィスビルのブランドを紹介します。また、中規模オフィスへ移転するための準備や行うべき手続きについても解説します。
本記事を読むことで、中規模オフィスへの移転準備を不安なく進められるようになるので、ぜひ参考にしてください。
中規模オフィスの基礎知識
そもそも、中規模オフィスと呼ばれるオフィスはどのくらいの広さなのか、定義や特徴を紹介します。
中規模オフィスの定義
中規模オフィスの目安としては、ビルの基準階面積が40坪から200坪前後とされます。延床面積では、300坪から5,000坪ある8〜10階建て程度のビルのオフィスが、中規模オフィスと定義されるようです。
また、1人当たりに必要なオフィス面積は約4坪とされています。たとえば40名の社員がいるサービス業で、20名がオフィスにて業務につく場合は、単純計算で80坪分のオフィス面積が必要です。
中規模オフィスの特徴
中規模オフィスビルの特徴として、バブル期に建てられた物件が多く、東京23区内にあっても、築年数が20年以上経過した物件が珍しくない点が挙げられます。
ザイマックス総研の2020年12月時点でのオフィスビルに対する分析によると、2021年末時点の東京23区内のオフィスビルのうち、延べ床面積300~5,000坪のオフィスビルの中で、築20年以上の物件は全体の83%と報告されています。
一方、バブル期以降は供給が激減し、築20年未満は全体の17%です。主に従業員30人以下の中堅・中小企業や個人事業主が契約者となり、利用する面積は50〜200坪ほどとされます。
“参考:株式会社ザイマックス不動産総合研究所「オフィスピラミッド 2021」2021.01.15”
大手デベロッパーの中規模オフィスブランド
近年、大手デベロッパーが手掛ける中規模オフィスが、東京都心部を中心に増えつつあります。ここでは、大手デベロッパーの手掛ける中規模オフィスブランドを、コンセプトと共に5つ紹介します。
野村不動産「PMO」
野村不動産が手掛ける「PMO(ピーエムオー)」は、上質な“働く空間”を中規模サイズで実現することをコンセプトとする中規模オフィスブランドです。単なる仕事場としての役目だけでなく、企業の顔にもなるオフィスビルとしてデザインされています。
基準階坪数:約45坪~200坪台
共用部:天井高3.5mを超えるエントランス、アロマの香り
専有部:ワンフロア・ワンテナント、無柱でフロアデザインしやすい
空調:専有部では個別空調で省エネと快適性を両立
セキュリティ:セキュリティゲート、ICカード、人感センサー、入館履歴記録など5段階
公式サイト:https://www.pmo-web.com/
住友商事「PREX」
住友商事の「PREX(プレックス)」は「チームを強くするオフィス」をコンセプトに、1つのビル内で複数フロアにまたがって、働く環境を備えた中規模オフィスビルです。
屋上にミーティング設備が設けられており、ネット環境も整備されています。いつものデスク以外へ道具を持ち運び、最適な仕事場を作り出しやすい環境です。
基準階坪数:約67坪~約158坪
共用部:緑あふれるエントランス、日替わりのフードトラックやコーヒーカー
専有部:1フロアごとキッチンを配備、緑あふれる空間でリラックス
空調:ゾーン別個別空調
セキュリティ:1フロア1テナント、テナント専用屋外ワークスペース、非接触ICカードリーダーによる入退室管理など
日鉄興和不動産「BIZCORE」
日鉄興和不動産が手掛ける「BIZCORE(ビズコア)」は、オフィスの本質を追求し「Make Standard」をコンセプトとした中規模オフィスビルのブランドです。名称は企業活動(business)に資する本質、つまりCoreを追及したオフィスを提供したいという事業理念を表したものとなっています。
基準階坪数:約54坪~約269坪
共用部:モダンかつ格調高いエントランスホール、屋上庭園
専有部:天上高2,800mmの無柱空間設計
空調:ゾーン別個別空調
セキュリティ:無人受付システムや非接触ICリーダー、1フロア1テナントなど
中央日本土地建物「REVZO」
もっと自由で創造的に、「はたらく」を解き放つことをコンセプトに造られたのが、中央日本土地建物の「REVZO(レブゾ)」です。特徴として生き生きと人々が働けるように、パブリックスペースやバルコニーなどの設置が行われています。
基準階坪数:約77坪~約140坪
共用部:屋上テラス、最上階のパブリックスペースとして活用できるラウンジ、大画面デジタルサイネージつきのエントランスなど
専有部:最大3,700mmの天上高、開放的なスケルトンの内装
空調:個別空調
セキュリティ:ワンフロアワンテナント、監視カメラ、人感センサーなど
公式サイト:https://www.revzo.jp/
サンケイビル「S-GATE」
サンケイビルが手掛ける「S-GATE(エス ゲート)」は、次代のビジネスを担う「『ひと』をオフィスの真ん中へ。」をコンセプトとした、快適性とハード面の双方にこだわった中規模オフィスビルです。
基準階床面積が300坪を超えるものもあり、中規模オフィスの中でもより広いオフィスが備えられています。
基準階坪数:約70坪~約300坪
共用部:一部に無料Wi-Fi、パウダースペース、リフレッシュルームなど
専有部:柱型の出ないアウトフレーム構造を採用
空調:個別空調、自然換気スリット
セキュリティ:各階EVの不停止制御、貸室扉の非接触型ICカードなど
中規模オフィスへの移転方法
移転を決定するまでには、移転先の中規模オフィスを選ぶことはもちろん、さまざまな手続きも必要です。ここでは移転方法とそのポイントを解説します。
中規模オフィスへ移転する流れ
移転を完了させるまでに必要な時間は、企業によってさまざまです。準備不足で移転を行ってしまうと、通常業務が進まなくなったり、営業活動に支障が出たりする恐れもあります。
以下は、中規模オフィスへ移転するまでの流れです。
準備:移転計画立案
準備:移転先を選定・決定
準備:社内用の移転に関するマニュアルやスケジュールを作成・共有
準備:旧オフィスの解約を予約
準備:新規オフィスのレイアウト決定と工事依頼
準備:引越し業者の選定・備品の選定
移転
移転後:旧オフィスの原状回復工事
移転後:取引先へのオフィス移転の連絡
移転後:各種届出を提出
中規模オフィスに移転する際に重要となるのが、移転計画の立案です。なぜ中規模オフィスを選ぶのか、どうしてこの広さが必要なのかが明確にならないと、将来的にオフィスへ移転したことで損失が起きるリスクもあります。
また移転計画を十分に練らないと、解約時期が重なってオフィスの賃料を二重に支払わなければならない期間が出るかもしれません。
オフィスの移転で必要な手続き一覧
オフィス移転を行うにあたり、次のような手続きが必要です。
手続き | 理由 | 手続きのタイミング |
前オフィスの解約・新オフィスの契約 | 移転を行うため | 解約は6ヶ月前や3ヶ月前などオフィスによって異なるため要確認 |
原状回復工事の契約 | オフィスを借りたときと同じ状態に戻すため | オフィスの解約通知と同じ時期 |
ガス・電気・インターネット・電話回線の移転手続き | 移転後にスムーズに業務を開始するため | 移転決定後、プロバイダや電話の契約会社に連絡し、工事の期間などを相談 |
取引先への連絡 | 移転により電話番号や住所などが変更されるため | 移転の時期が決定次第連絡 |
銀行口座とクレジットカードの登録情報変更 | 移転により電話番号や住所なども変更されるため | 窓口に出向く場合もあるため各金融機関へ確認しスケジュールを決定 |
年金事務所での手続き(健康保険・年金) | 「適用事業所名称/所在地変更(訂正)届」の提出が必要なため | 移転後5日以内に移転前オフィスを管轄する年金事務所へ書類を提出(郵送・電子申請可) |
労働基準監督署での手続き | 「労働保険名称・所在地等変更届」の提出が必要なため | 移転後10日以内に新オフィスを管轄する労働基準監督署に提出 |
公共職業安定所(ハローワーク)での手続き | 「雇用保険事業主事業所各種変更届」の提出が必要なため | 労働基準監督署に「労働保険名称、所在地等変更届」を提出後、新オフィスを管轄するハローワークに提出 |
法務局での手続き | 「本店移転登記申請書」または「支店移転登記申請書」の提出が必要なため | 本店移転の場合は移転後2週間以内、支店移転の場合は移転から3週間以内 |
税務署での手続き | 「異動届出書」「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の届け出が必要 | 異動届出書はできるだけ早めに、給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書は移転後1ヶ月以内に、前オフィスを所轄する税務署に提出 |
都道府県税事務所での手続き(事業税・固定資産税・自動車税等) | 住所変更の届け出が必要 | 各都道府県で異なるため要確認 |
郵便物届出変更 | 郵便物を新オフィスに転送してもらうため | 移転の1週間前が目安 |
防火対象物使用開始届出書 | 消防法施行令別表に表記されている事業の場合は義務のため | 移転の7日前までに新オフィスを所轄する消防署へ届け出 |
車庫証明 | 社用車を新オフィスで使用する場合 | 移転後15日以内に新オフィスを所轄する警察署へ届け出 |
社用車の登録変更 | 社用車を新オフィスで使用する場合 | 移転後15日以内に新オフィスを管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所へ届け出 |
届出先は、前オフィスの管轄に提出が必要な場合と、新オフィスの管轄に提出する場合と2通りあります。
年金事務所への届け出のように期間が5日と短い場合や、社用車の登録変更のように、会社登記事業証明書などの添付が必要になる場合があります。提携している司法書士や行政書士、社会保険労務士等と相談し、段取り良く手続きの準備を進めましょう。
移転するオフィスを選ぶポイント
移転先のオフィスを決めるにあたって、価値観や考え方は企業によって異なります。次にあげるポイントは、多くの企業に当てはまる普遍的な条件です。
立地
働くために必要なデスク数や会議室の数を含めた契約面積
安全性(耐震性やセキュリティ)
イメージするビルのグレード(内装や外装)
耐荷重(サーバー設置など重量のある機器を搬入する場合)
賃料や共益費
共益費など以外の別途費用
入居しているテナント
周辺環境
喫煙環境の有無(社内に喫煙者がいる場合)
入居するテナントや周辺環境、立地は、オフィスにいる間の快適性につながる条件です。たとえば車で営業に向かうことが多いのであれば、オフィスから駐車場までの動線が快適なほうが社員は働きやすい、という選び方ができます。
また賃料の面では、働きやすい快適なレイアウトを実現するために必要な面積から、支払える賃料で絞り込んでいくことも必要です。
中規模オフィスで失敗しないレイアウト
オフィスのレイアウトは働きやすさに直結するとともに、快適な環境づくりにもつながります。具体的なコツを5つ紹介します。
いすと壁の間は2人がすれ違えるだけの距離を確保
ゾーニングで休憩スペースや収納スペースなど配分を検討
配置はセキュリティレベルで分けると使いやすい
多くの社員が使う機器にアクセスしやすい動線を考える
デスクやいすなどを選ぶ際に、使用する社員の意見を反映する
ゾーニングとは、オフィスに必要な機能をどこへどのように配置するのか決めるものです。たとえば「お客様が入ってくるドアから近い位置に、応接室・会議室を配置」という方法が考えられます。
このとき、セキュリティ上重要な情報ほど、人目につかない位置に来るようにレイアウトを考えることが大切です。場合によっては、入室に非接触型ICカードが必要なエリアを作るなど、対策をレイアウトに盛り込みましょう。
また、オフィス移転は問題を解決するチャンスでもあります。社員の意見を元にオフィスの雰囲気を家具などでレイアウトしたり、整理整頓しやすい工夫をしたりすることも大切です。
移転にかかる費用の相場と内訳
オフィスの移転では、オフィスの広さや社員の人数に応じて次のような費用がかかります。
内容 | 目安 |
新オフィスの準備にかかる敷金・保証金・前払い賃料 | 月額賃料の6ヶ月から12ヶ月分 |
内装工事にかかる費用 | 坪あたり10万円~40万円 |
原状回復工事費用 | 50坪以下:坪あたり3万円~5万円 50坪以上:坪あたり5万円~10万円 |
不用品や廃棄物の処理 | 2トン車1台分:8万円前後 4トン車1台分:15万円前後 |
引っ越し費用 | 社員1人あたり2万円~5万円(精密機器の運搬などで増える場合あり) |
書類の届出・作成費用 | 届出書類の種類にもよるが25万円前後 |
広告や告知の作成費用 | 社員1人あたり1万円~2万円 |
表を見ていくと分かるように、時には数千万円近い費用が発生します。また引越し先によって社員の通勤費が増えることもあるため、計画段階で費用面も詳しくチェックしていく必要があります。
中規模オフィスにあると便利なもの
働き方が多様化するいま、中規模オフィスに移転するにあたり、あると便利なものも従来とは変わりつつあります。
十分な速度がでるネットワークの回線網
大容量データのやり取りや、テレワークでも快適に業務を進めるためには、安定した通信を確保することも大切です。一定以上の通信品質を期待するのであれば、50Mbps〜100Mbpsの通信速度が維持できるネットワークを構築する必要があります。
中規模オフィスへ移転を行う際は、固定回線のほか、外出先の勤務や一人暮らしで通信回線の確保が難しい社員向けに、モバイルWi-Fiルーターの導入も検討してみましょう。レンタルタイプのモバイルWi-Fiルーターなら、使用台数の増減にも柔軟に対応できます。
テレワーク向けのITツール
情報漏洩のリスクを下げ、勤怠管理を適切に行いつつ、コミュニケーションをスムーズに進められるように、テレワーク向けのITツールを見直すこともおすすめです。
以下は、テレワークに広く活用されているITツールの特徴と、メリット・デメリットをまとめた表です。
名称 | 特徴 | メリット | デメリット |
Zoom Meetings | 最大1,000人まで1つのWeb会議に参加可能 | 導入が簡単でデータ転送の暗号化あり | 無料版の場合は3人以上のミーティングは最大40分まで |
Chatwork | 1対1やグループでのチャットツール | ファイルやメッセージの送信の暗号化、個人でも企業でも使いやすい | ストレージ制限があるため有料へのアップグレードも検討必須 |
Slack | ドラッグ&ドロップで手軽にファイルを共有 | チャット機能とファイルの共有を低コストで導入できる | グループ通話の同時参加は有料でも15名まで |
ジョブカン勤怠管理 | 国内で幅広く採用されている勤怠管理システム | 1ツールで多くの労務管理に対応、外国語表示あり | 自社で機能をカスタマイズする必要がある |
Remotty | 実際のオフィス環境でテレワークを行うためのバーチャルオフィス | 人がいる感覚、つぶやき、雑談といったコミュニケーションを取りやすい | ツールとして違和感を感じる人もいる |
快適に業務をこなせるスペックのパソコン
中規模オフィスへ移転する前に、パソコンのスペックも確認しておきましょう。スペックが不十分なままだと、新オフィスになってからも、業務は以前と同じような状況になってしまう可能性が高いからです。
業務に対するスペック不足の目安として、次のような状況が挙げられます。
ZoomなどWeb会議がスムーズにいかない
1つの処理に時間がかかってしまう
パソコンの再起動が必要になる場面が1日のうちに何度かある
たとえば、Web会議がスムーズに行われなければ会議の時間が延びていき、他の業務にも支障をきたしてしまいます。タブレット端末でも対応できる部分はありますが、パソコンのほうが資料作成や大量のデータ分析には便利です。
オフィスの拡大を検討するに合わせ、パソコンのグレードアップも検討してみましょう。
中規模オフィスへ移転する前に知りたい知識
今のオフィスから中規模オフィスへ移転しようと決める前に、今のオフィスに対する考え方や今後の働き方についても、知識を持っておくことが大切です。
オフィス規模を拡大する必要性
現在、オフィスを拡大する必要性は、企業によって大きく異なります。
テレワークが増えたことで、企業によってはオフィスに出社する人数が激減し、規模を小さくするケースも増えています。ITツールが進化したことで、オフィスでなくても業務をこなせる業種も増えたからです。
また、コロナ禍により業績悪化が起きた企業も少なくありません。そういった企業では、テレワークなどを活用しつつ、オフィスの縮小による経費削減を目指すケースもあります。
しかし業種によっては、次のような内容がデメリットとなることも考慮する必要があります。
テレワークが増えたことで新たな社内制度が必要になる
縮小・移転のコストがかかる
社員同士が顔を合わせる機会が減りモチベーション低下につながることもある
オフィスの規模を拡大する際も、コストはかかります。実施するのであれば、オフィスの拡大が利益につながるように、計画を立てていきましょう。
フレキシブルオフィスで柔軟な働き方に対応
企業によってはオフィスを拡大・縮小させるのではなく、フレキシブルオフィスを活用することで、コストを抑えながら柔軟な働き方に対応するケースもあります。
フレキシブルオフィスとは、従来のオフィスのように契約した1社のみが使うのではなく、コワーキングスペースのように複数のワーカーが利用できるオフィスを総称する言葉です。
働き方が変わるとともに、フレキシブルオフィスの数も増えつつあり、契約プランや設備もより自社に合うものを選びやすくなっています。以下にフレキシブルオフィスの種類を表にまとめました。
タイプ | 特徴 |
コワーキングスペース | 同じ空間で異なる企業・個人が働く、別企業の社員とコミュニケーションが生まれることも |
シェアオフィス | 1つの大きなオフィスを複数の企業で共有して活用、コワーキングスペースより長期契約が可能 |
レンタルオフィス | 専用スペースや個室の利用がメイン、法人登記にも対応 |
バーチャルオフィス | 物理的なスペースを借りるのではなく、住所などを得るために利用される |
サービスオフィス | コワーキングスペースなどの機能を備えつつ、常駐スタッフによる顧客対応など多くのサービスが受けられる |
新型コロナの感染予防を実現できる体制づくり
移転に伴い社内体制を見直す際は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、感染予防対策の実現を目指すことも大切です。たとえば、次のような予防対策が挙げられます。
会話時に十分な距離を確保できる作業スペースの確保
パーテーション・マスクの着用・手洗いに必要な物品の確保
衛生委員会や産業医など産業保健スタッフの配置
健康管理アプリの導入で社員の健康を随時把握する
休憩スペースや共用設備の定期的な消毒
トイレの共通タオルを廃止する
本社の首都圏外への移転が増加中
新型コロナウイルスの感染拡大以降、企業の本社が首都圏にあることに対し、必ずしもメリットがあるとは言えないケースも出始めています。
実際、帝国データバンクが公表した資料によると、2021年1月から6月の間に首都圏外へ本社を移転した企業数は186社でした。首都圏外への移転が首都圏内への転入を上回ったのは11年ぶりです。
特に多かったのは36社が移転先に選んだ「大阪府」で、次いで15社の「北海道」、14社の「愛知県」と続いています。また、首都圏に隣接する茨城県や群馬県、栃木県への移転も多い状況です。
移転先として、首都圏以外を検討する企業が今後増えていく可能性が考えられます。
“参考:帝国データバンク「首都圏・本社移転動向調査(2021年1-6月間速報)」2021/9/3”
中規模オフィスが本当に必要かどうかから検討しよう
中規模オフィスの移転を検討する際は「なぜ移転するのか」を具体的にして、今の業務に必要なレイアウトや家具、規模を考えることが大切です。
中には、フレキシブルオフィスを併用したほうが効果的な場合もあるかもしれません。オフィス縮小の動きや首都圏外への移転も進む中、オフィスに対しても従来とは異なる考え方が求められています。
ぜひ本記事で紹介した情報を参考にしていただき、よりご自分や社員が働きやすい環境をつくってください。
サービスオフィスを複数棟、比較検討できます。
気になる物件を選び、条件や設備などの違いを確認してみましょう。一覧表で比較ができる便利な機能です。比較資料としてご利用ください。