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企業のオフィス戦略とは?世界や日本のおしゃれな実例から紹介

企業のオフィスをどのようにすれば社員はやりがいを持てるのでしょうか。この記事では、大企業のGAFAや賞を受賞した日本企業の例を紹介しながらその秘訣を探り、みなさんの企業でも取り入れることができるポイントをわかりやすくお伝えします。

企業のオフィスをどのようにすれば社員はやりがいを持てるのでしょうか?世界的に有名な企業では、オフィスを工夫することで新しいアイデアを生み出しやすくしています。この記事ではGAFA(注1)や日本企業の例を紹介しながら、その秘訣を探っていきましょう。

最後までご覧になれば、みなさんの企業でも取り入れることができるポイントがきっとみつかるでしょう。

注1:GAFAとは、世界的IT企業である「Google」「Amazon」「Facebook(現Meta)」「Apple」の4つの会社の頭文字を取った言葉のこと


世界的大企業のおしゃれなオフィス5選

世界の大企業では、さまざまなおしゃれなオフィスを開設しているところがあります。今回は代表的な以下の企業のオフィスを紹介していきましょう。

  • Google

  • Amazon

  • Meta(旧:Facebook)

  • Apple

  • Microsoft

それぞれのデザインや工夫についてぜひ着目してください。


Googleのオフィス

検索サイトなどで有名なGoogle社のオフィスは、一見すると奇抜に映りますが、そこには世界をリードしていくための以下のような工夫があります。

  • 遊び心を持ちながらGoogle社らしさを浸透させるデザイン

  • コミュニケーションを取りやすくするためのレイアウト

まず、Google社のオフィスはデザインが特徴的です。例えばボルダリングができる空間があったり、会議室が変わった作りになっていたりします。これらについては、社員に対して柔軟な発想を生まれやすくするために、あえてそのようにしているのです。また、カラーリングに関してはGoogle社のロゴで使われているカラーを採用し、自然と自社らしさが社員に浸透するように図っています

次に、革新的なアイデアを生み出しやすくするためには、複数人のグループで話しあうなどコミュニケーションが不可欠です。そこでGoogle社では決められた場所ではなく、さまざまな空間にベンチを設置するなどしてきっかけづくりを行っています。これにより社員同士のコミュニケーションを活発化させ、新しいアイデアが生まれるような下地を作っているのです。

現在Google社では、新型コロナウイルス感染症によりリモートワークが主になっています。しかし社員が集まれる空間こそがアイデアを生むと考え、2023年に開業する計画で、ニューヨーク市内にオフィスビルを購入しようとしているようです。今後、この新しいオフィスから、どのようなアイデアが生まれていくのか注目していきましょう。


Amazonのオフィス

通販サイト「アマゾン」で有名なAmazon社は、自然との結びつきを大事にしたオフィスにより、社員の生産性を向上させようとしています。これはバイオフィリック(人間が本能的に求める自然との関わりによる生産率の向上)を利用したものです。例えばシアトルにある本社ビル「Day 1」では、飼っているペットを持ち込みできたりドッグランが併設されていたりします。

また、特徴的なオフィス「The Sphere」では、卵のような外見をしたビル内に植物がたくさん植えられており、社員はまるで森の中で業務しているような感覚に陥ります。これらによって、Amazon社はストレスを軽減したうえで業務に向かえるように努めています。この試みについては、アーリントン第2本社キャンパスでも採用されており、卵型ではなく螺旋状のオフィスを開設する予定です。


Meta(旧:Facebook)のオフィス

SNSのFacebookやメタバースに進出したMeta社のオフィスでは、空間を広くとったレイアウトで自然光や緑を取り入れています。一方で壁などはあえて元の建物をそのまま利用しており、社員自身で絵を飾ったりすることが可能です。これらは、社員の独自性と創造性を育むために意図されたもので、オフィス内は絶えず変化を続ける芸術的な空間となっています。

これにより個人の意見を明確にする機会を与え、アイデアを生みやすい環境を提供しています。Meta社の理念には、たくさんの人に役立つサービスを提供するというものがありますが、その根底にはこのようなオフィスの環境が影響しているのでしょう。


Appleのオフィス

スマートフォンなどで有名なApple社のオフィスの内情は、長年公開されていませんでしたが、カリフォルニア州の新本社「Apple Park」にて全容が明らかとなりました。ここでは、カリフォルニアの原風景に囲まれながら、まるでUFOのような社屋「スペースシップ」がたたずんでいます。これは自然を感じながら、創造性を養うことを目的としており、あのスティーブ・ジョブズ氏などによって作られました

また、ジョブズ氏を称えた「Steve Jobs Theater」では、柱が一切使われていないデザインで近未来感を味わえ、開けた空間は創造性を刺激します。色彩も全体的に統一することで、Apple特有のシンプルさを際立たせているのです。これまでのApple社の歴史と未来を見据えたオフィスデザインを採用していることがうかがえます。


Microsoftのオフィス

WindowsでOSの覇権を握ったMicrosoft社の本社では、緑に囲まれた広大なキャンパスの中で、さまざまなデザインのビル群が形成されています。その広さは、移動するのにバスなどを利用しなければならないほどです。イメージとしては、大学のキャンパスを想像するとわかりやすく、雰囲気もそれに近いでしょう。社員がすぐに集まりコミュニケーションを取れるように、意識して設計されています。

また、多種多様な人種の人が行き来する食堂は多様性にあふれています。、世界各国でサービスを提供するMicrosoft社の社員にとって、刺激をもらえる空間となっているようです。肝心のオフィスについては個別のデスクはなく、広い空間でコミュニケーションしながら業務を行うことが多いようです。これは複数人で共同作業を行うことで、新しい発見や創造をしやすくするために採用されています。

Microsoft社ではクラウドのサービスに力を入れていますが、これらのオフィス環境は開発によい影響を与えているでしょう。


日本企業のおしゃれなオフィス5選

世界に目を向ける一方で、日本企業ではどのようなおしゃれなオフィスがあるのでしょうか?ここでは、日経ニューオフィス賞の受賞経験がある5つの企業のオフィスを紹介します。

  • ZOZO本社屋

  • I-PEXキャンパス本館

  • 三井物産本社ビル

  • KADOKAWA所沢CAMPUS

  • サンスターコミュニケーションパーク


ZOZO本社屋

小売業のZOZO本社屋は、外見は企業のオフィスには見えず、地域に溶け込むような和のデザインが施されています。一方で、内装は非常にアーティスティックであり、多数の作品により彩られていることで、近代アートの美術館のような印象です。例えば、リサイクル素材を利用した椅子や職人の手による内装などは、独特の雰囲気を醸しだしています。

また、廊下や会議室などには日本人芸術家の作品が展示されており、社員にインスピレーションを与えています。まさに「想像と創造の行き交う街、西千葉」というコンセプトにふさわしいおしゃれなオフィスです。


I-PEXキャンパス本館

電気機器を扱うI-PEXキャンパス本館は、歴史を継承しながら現代的なオフィスを作り出しました。こちらは、もともと存在していた大学の建物をそのまま活用し、内装をリノベーションすることでオフィスとして快適に利用できるようにしています。例えば、開けた会議室やコミュニケーションを取れるスペースを設けたことで、社員同士で円滑な話し合いなどが可能です。

なお、I-PEXキャンパス本館は発展途上で、今後はいまだ手を入れていない跡地を同じようにリノベーションし、より一層活用を進めていく予定です。歴史ある建築物が、壊されずに有効に利用されていくのは望ましいことなので、応援しながら注目していきましょう。


三井物産本社ビル

商社である三井物産の本社ビルは建て替えに伴い、新しいコンセプトでオフィスがつくられることになりました。業務を主に3分割したCAMPと呼ばれるゾーニング(共感するSOCIAL、戦略のCO‐WORK、模索するFOCUS)をそれぞれ階層ごとに配置し、より強固な創造力を得ようという試みです。例えば、現在の階層がSOCIALであれば、上下階はCO‐WORK、FOCUSという異なったプロセスの領域に出会うことができます。

そのため、仲間同士でコミュニケーションを取りながら、ビジネスチャンスを最大限生かせるように思考を働かせることが可能です。なお、それぞれの内装については業務の効率を最大化するために、SOCIALでは空間を広くとり、CO‐WORKでは仲間同士で話しやすいようにソファなどを導入。FOCUSでは、仕切られたデスクで静かに思考できる環境を整えています。

おしゃれでありながら業務にまい進できるのが、三井物産本社ビルのオフィスの特徴です。


KADOKAWA所沢CAMPUS

エンタメを提供しているKADOKAWAの所沢CAMPUSは、複合施設の中のオフィスとして浄水センター跡地に作られました。このキャンパスは既存の東京キャンパスやリモートワークなどに加え、社員が好きに働ける場所の1つとして設けられています。都心より離れた立地から新たな視点を得ようというコンセプトです。特徴としては天井が高くなっており、空間の広さを感じられるデザインを採用しています。

また自然光を取り入れている一方で、時間経過を感じられるように、時間帯で照明が暗くなるようになっています。この他、内装のカラーリングは華美のものではなく、素材を生かした木目調や無塗装のものを採用しており、落ち着いた印象です。


サンスターコミュニケーションパーク

サンスター社のサンスターコミュニケーションパークは、社員だけでなく地域住民にも健康になってもらえるように配慮しました。地域住民に庭や1階部分を解放し、そこで自社の製品を試してもらったり、健康に関するセミナーなどを行ったりしています(新型コロナウイルス感染症により現在は延期している)。また、社員が利用するオフィスに関しては、自然光などを取り入れてストレスのたまりにくい環境を実現。

この他、デジタル技術を積極的に取り入れることで環境負荷を減らしつつ、フリーアドレスなどを導入してコミュニケーションを取りやすいように工夫もしています。アイデアが生まれやすくなるように意識して、オフィスの改革を行ったようです。


働きやすい企業のオフィスの特徴

働きやすい企業のオフィスには以下のような特徴があります。

  • オフィスのきれいさ・快適さがある

  • 社員のコミュニケーションが活発

  • オフィスがコロナ対策済み

これらについて詳しくお伝えします。


オフィスのきれいさ・快適さ

オフィスがきれいで、快適な環境が提供されていれば、社員は効率的に仕事ができます。例えば、必要な資料を確認する際に、オフィス内が乱雑になっていると探す時間や手間が余計にかかります。しかし整頓されていればそのような無駄を省けるでしょう。また、長時間デスクにいる場合には、目が疲れたり空調が気になったりしますが、配慮の行き届いたオフィスであれば適切な照明や空調で仕事に集中できます。

このように、企業がオフィスをきれいにして快適に過ごせるように工夫すれば、自ずと働きやすい空間が生まれ、業務の効率も上がるのです


社員のコミュニケーションが活発

昨今では欧米・日本企業を問わず、オフィス内でのコミュニケーションが重視されています。価値観を共有することで業務を効率的に行いやすくなります。また話し合いの中でインスピレーションが生まれ、創造性を発揮することが可能になるからです

そのため、個人のデスクを廃止してフリーアドレスを導入したり、何気ない会話が生まれやすくなるように、オフィス内にベンチを多く設置したりするような取り組みが行われています。

今後は個人や部署が閉じられたオフィスよりも、開かれたオフィスのほうが一般的になっていくでしょう。


オフィスがコロナ対策済み

新型コロナウイルス感染症の流行は、密閉された環境にあるオフィスに大きな影響をもたらしています。感染を予防するためにオフィスを縮小したり、完全リモートワークに移行したりする企業もありました。しかしその状況の中でもメリットがあるため、ウィズコロナ時代でもオフィスはなくならないでしょう。

ただし感染予防は必須なので、以下のような経団連の感染予防対策ガイドラインに沿った対策をとりましょう

  • 感染防止のために企業は法令を遵守し、情報収集しながら対策のための体制を築く

  • 体調の悪い社員には無理に仕事をさせずに休ませたり、病院に行くことをすすめたりする

  • 感染予防のために手洗いを徹底し、マスクの着用や飛沫の防止などに努める

  • 休憩スペースなどの共用部分は消毒を徹底する

  • 社員に感染予防を周知させ、公の場面で適切な対応をとるように促す

  • 社員の感染が判明した場合には保健所などの指示に従う

これらは概要であるので、詳しい内容はガイドラインを確認してください。


企業が今後検討するべきオフィスの移転

今後オフィスを移転する計画がある場合は、以下の内容を理解しておくとよいです。

  • 企業がオフィスを移転するメリット

  • 企業がオフィスを移転するデメリット

  • フレキシブルオフィスの利用が増加中

これらについてお伝えしていきます。


企業がオフィスを移転するメリット

オフィスを移転することには以下のメリットがあります。

  • コストを削減できる

  • 社員同士のコミュニケーションの増加や生産性などを向上できる

一般的なオフィスからシェアオフィスなどに移転すると、賃料や事務用品のコスト削減につながります。業務の内容を加味しながら、オフィスの規模を縮小したり、使わない事務用品を捨てたりするからです。

またオフィスが移転すると、それまでとは違った環境に置かれることになります。それによりコミュニケーションが増えたり、モチベーションが上がったりすることにつながり、生産性が向上するケースがあります。

移転するオフィスにもよりますが、事業者としてどのタイプが向いているのか検討するとよいでしょう。


企業がオフィスを移転するデメリット

オフィスを移転することには以下のデメリットがあります。

  • 移転のためのコストがかかる

  • 生産性が下がる可能性がある

移転を行うと、賃料などのランニングコストは減少しますが、コストがかからないわけではありません。荷物の移送を業者に依頼したり、荷造りを業務と並行して進めたりする必要があり、まちがいなく負担がかかります。また、社員の通勤時間が増えたりすることでモチベーションが下がる、、動線の確保に失敗して生産性が落ちるなどの可能性もあります。

このようにオフィスの移転には、必ずしもメリットだけでなくデメリットもあることを理解しておいてください。


フレキシブルオフィスの利用が増加中

最近では、フレキシブルオフィスと呼ばれるタイプの利用が増加しています。このフレキシブルオフィスとは「レンタルオフィス」や「シェアオフィス」などの総称で、オフィスの設備や会議室などを共有して利用していく方法です。この方法であれば、賃料が安く短期間の契約も可能です。また人脈作りにも生かせるため、スタートアップ企業やベンチャー企業で流行しています。

ただし、いろいろな人がオフィスにいることで、セキュリティの問題が生じることもありますし、弁護士などの業種では利用できない可能性があります。そのため、業務内容などがフレキシブルオフィスに合っているのか検討したうえで契約しましょう。


企業がオフィス戦略で失敗しないポイント

オフィス戦略で失敗しないためには以下のポイントを押さえてください。

  • リモートワークは企業の現状に合わせて実行

  • 中長期の戦略的な計画

  • 便利なサービスを活用

リモートワークは企業の現状に合わせて実行

現状に合っていないにもかかわらず、リモートワークを導入してもうまくいかないことが多いです。例えば、次のような問題が起こり得ます。

  • セキュリティ対策を怠ることで重要な情報が漏れてしまう、

  • 家族などがいる環境で集中して仕事ができず、生産性が低下する

  • オフィス内であれば気軽に話せることも、リモートワークではネットを介す必要があり、スムーズにいかない

以上のように、リモートワークは事前の準備や社員に対するケアが必要です。みなさんの企業でそれができるのか検討したうえで採用するのが賢明といえます


中長期の戦略的な計画

新型コロナウイルス感染症によりオフィスで仕事をすることが難しくなり、在宅でのリモートワークに切り替えた企業も少なくないでしょう。しかし、あくまでもこの対応は短期的なものであり、中長期的な観点でオフィスをどうするのか検討する必要があります。というのもオフィスでの業務には、コミュニケーションを取ることでアイデアを生み出せるなどのメリットがあります。これを軽視するのは戦略的によくありません。

また、リモートワークは社員に仕事を振りすぎてしまうなど、マネジメントが難しいという問題があります。これが社員の成長を妨げてしまったり、仕事に対するやりがいを低下させてしまったりするのです。今後の展開を検討していくうえでは、中長期にどうするのか考えていく必要があるでしょう。


便利なサービスを活用

業務においては経理や人事、総務などのバックオフィスにかかる手間はばかになりません。人材が少ない企業では、本来注力すべき業務に専念できない場合もあり、これが失敗のもとになることもあります。しかしこの問題は、バックオフィスのサポートサービスを利用できれば解決します

会計ソフトを導入したり、該当の業務をアウトソーシングしたりすることで解決することが可能です。また、オフィスによってはサポートサービスをオプションで付けている場合もあるので、利用できるものがないか確認してみましょう。


まとめ

世界や日本には、おしゃれで斬新なオフィスがたくさん存在しており、それらにはさまざまな工夫や理念が詰まっています。参考にできる点はぜひ取り入れていきましょう。一方で、新型コロナウイルス感染症により、今後オフィスをどのようにしていけばよいのか悩んでいる企業もいるでしょう。

アドバイスとしては課題点を見直し、いま一度新しい働き方を検討しながら対応してください。そうすることでウィズコロナであっても事業を拡大できるでしょう。


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