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レンタルオフィスでも融資は受けられる?審査で見られる点や注意点を解説

金融機関から融資を受ける際、「住所がレンタルオフィスだと不利なのでは?」と心配する企業担当者の方もいるかもしれません。

しかし結論からいえば、レンタルオフィスでも条件次第で融資は可能です。

ポイントは、金融機関が重視するのはオフィスの名前そのものではなく、事業の実態や返済能力だということです。

この記事では、レンタルオフィスを利用している方が融資を受ける際に、審査で見られるポイントや注意点を解説します。

レンタルオフィスは融資を受けられないケースもある

オフィスの形態や事業実態によっては、金融機関に慎重に見られるケースがあります。

特に自宅登記やバーチャルオフィス利用、会社電話番号がない場合などでは、融資以前に「会社名義での銀行口座開設」自体が難航することも少なくありません。

具体的には、住所のみ借りているバーチャルオフィスのような形態だと、多くの金融機関で次のように思われてしまい、融資審査の段階から敬遠されてしまう傾向があるのです。

  • 「なぜ、事業を行うためのスペースがないのだろうか?」
  • 「ペーパーカンパニーなのではないか?」
  • 「従業員の実務や顧客対応はどこで行うのか?」

レンタルオフィス利用の場合も融資不可というわけではありませんが、上記に記載した自宅登記やバーチャルオフィスのケースと同様の疑問を持たれてしまうことが多いため、事業の実態と信用を明確に示せるかどうかが重要になってきます。

事前に金融機関の方針を確認し、レンタルオフィスでの専有スペースの確保や固定電話の導入など、できる対策を講じておきましょう。

レンタルオフィスで融資を利用する際の審査項目

銀行や公的機関の融資審査では、「レンタルオフィスかどうか」といった表面的な点よりも事業の中身や信用状況がチェックされます。

特にレンタルオフィス利用時に審査で見られやすいポイントは、次の通りです。

  • 事業実態
  • 利用形態
  • 代表者の信用情報
  • 担保・保証

ここからは、審査項目について見ていきましょう。

事業実態

融資の基本は「その事業が確かに行われているか」という実態の確認です。

金融機関は登記簿の住所やオフィス形態から、事業が形だけでなく実際に動いているかを慎重に見極めます。

レンタルオフィスであっても、電話や郵便が確実に届き、日常的にオフィスが使われているかといった点が重視されます。

特に創業間もない企業ほど、「本当に事業を営んでいるのか?」という目線が厳しくなりがちです。

しかし、逆に事業の実態を示す証拠を揃えれば融資の可能性は十分にあります。

実際、金融機関が最終的に重視するのは事業内容と返済能力であり、オフィスではありません。

そのため審査では、取引先との契約書や請求書、商品やサービスのウェブサイト、許認可証など、事業を実際に営んでいる証拠の有無などがチェックされます。

融資担当者に「形だけの会社ではない」と納得してもらうためにも、事業を営んでいる証拠の資料を用意し、自社の事業内容がしっかり回っていることを説明できる状態にしておきましょう。

利用形態

同じレンタルオフィスでも、利用形態(契約内容や専有性)によって金融機関の受け止め方が変わります。

住所だけを借りている(専有スペースがない)状態では、どうしても事業実態が伴っていない印象を与え、「信用が低い」と判断される恐れがあるのです。

一方で、個室ブースや専有席を契約して日常的にそこで業務をしているのであれば、レンタルオフィスであること自体は問題にはなりません。

レンタルオフィス自体がダメなのではなく、「事業のための専有スペースを持っているかどうか」が見られているのです。

そのため融資審査では、レンタルオフィスを利用している場合でも契約形態(個室なのか固定デスクなのか、利用区画と契約期間はどうなっているか)をきちんと説明できることが重要になってきます。

実際の融資手続きでは、賃貸オフィスの場合と同様にレンタルオフィスの賃貸借契約書(利用契約書)の提出が必要です。

契約書には「○○ビル7階○○号室、契約期間○年○月まで」といった情報が含まれているため、契約書情報によって事業の専有スペースがどこにあり、いつまで使えるのかを金融機関が確認できます。

このように、住所だけ借りているのではなくきちんと専有スペースを持ち運営していると示すことが、審査上のポイントになります。

代表者の信用情報

法人としての実績や信用力がまだ浅い場合、融資審査では代表者個人の信用情報が重要な判断材料になります。

金融機関は、創業間もない会社に対しては「この代表者は信頼できる人物か」「過去に金融事故(延滞や未払い)はないか」といった点を詳しく確認するのです。

具体的には、代表者個人のクレジットカードやローン返済の履歴、携帯電話端末の分割払い延滞の有無までチェックされることがあります。

「創業融資では代表者の信用履歴がそのまま融資判断に直結する」といった考え方もあり、過去に延滞などがあると、事業計画が優れていても不利になってしまうのです。

したがって、代表者自身が過去の信用上の問題(支払い延滞など)を抱えている場合は、隠さず正直に説明すべきです。

金融機関は信用情報機関を通じて個人の履歴を把握できます。

そのため、たとえば「過去にクレジットカードの支払い遅延があった」「携帯電話料金を滞納したことがある」といった事実があれば、面談時に経緯や現在の状況を誠実に説明することが大切です。

説明なく申請して審査側に発見されるより、先に事情を伝えておく方が印象は良く、必要に応じて代表者保証(代表者個人が返済責任を負う保証)を求められるケースでも、スムーズに話が進みやすくなります。

担保・保証

融資の審査では、融資実行の条件としての担保や保証の有無も重要なポイントです。

金融機関は事業の規模や継続年数に応じて、融資のリスクをどうカバーするかを検討します。

創業間もない企業や実績の浅い会社では、法人自体の信用力が十分でないため、代表者個人の保証(連帯保証)によってリスクヘッジされる場合があります。

また融資の額などによっては、不動産などの物的担保が必要になるケースもあるのです。

ただし近年は、創業支援の観点から無担保・無保証人で利用できる融資制度も充実してきています。

レンタルオフィスへ融資してくれる機関

レンタルオフィスを本店所在地としていても融資してくれる可能性のある主な融資機関には、以下のようなものがあります。

  • 日本政策金融公庫
  • 民間銀行
  • 自治体・金融機関(制度融資による)

ここでは、それぞれの融資機関がレンタルオフィス利用企業に対してどのようなスタンスで融資検討するかを見ていきましょう。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫(日本公庫)は政府全額出資の金融機関で、創業期の企業に積極的な融資支援を行っています。

オフィス形態についても柔軟で、事業内容や計画の整合性を重視する傾向が強いです。

可否は金融機関・案件により異なるため、申込前に事前相談で確認しましょう。

民間銀行に比べると審査ハードルが低めに設定されていることも多く、「創業計画書の中身がしっかりしているか」「数字に無理がないか」といった点に注目して評価される傾向です。

たとえば、日本公庫が扱う代表的な創業融資制度に「新規開業・スタートアップ支援資金」があります。

「新規開業・スタートアップ支援資金」制度では、前述の通り最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)まで融資可能であり、担保・保証人の扱いは個別に相談となります。

創業期は原則無担保・無保証人で利用できる制度もあるため、具体的な条件は窓口で確認しましょう。

オフィスがレンタルオフィスかどうかより事業計画の実現可能性や創業者の人柄・熱意などが評価対象です。

実際、日本公庫総合研究所の調査によれば、創業時の資金調達では金融機関からの融資が全体の65.2%を占めており(2024年度調査)、多くの起業家が公庫の融資を活用してスタートを切っています。

開業時の資金調達額は平均1,197万円で、長期的にみると少額化している(図-14)。平均調達額に占める割合は「金融機関等からの借り入れ」(65.2%)、「自己資金」(24.5%)で全体の89.6%を占める。

引用元:日本政策金融公庫総合研究所「2024年度新規開業実態調査

注意点として、公庫の融資審査でも代表者の信用情報は見られるため(民間と同様)、過去の延滞等がある場合は事前に対策を講じておきましょう。

また、公庫は事前相談にも応じてくれます。

窓口で創業計画書の書き方や必要書類の案内を無料で受けられます。

そのため、融資申込前に積極的に利用するのがおすすめです。

民間銀行

民間銀行(都市銀行・地方銀行・信用金庫など)は、公庫に比べるとリスク管理の観点から審査基準が厳しめになる傾向があります。

とりわけメガバンクなど大手銀行では、取引開始時の警戒感が強く、登記住所やオフィス条件について細かく確認される場合が多いです。

たとえば、「本店所在地がレンタルオフィスだと他社も同住所で多数登記しているが、事業実態は大丈夫か」などと質問されるケースもあります。

もっとも、民間銀行がレンタルオフィス利用企業に絶対融資しないわけではありません。

大事なのは、融資を申し込む相談先の選び方です。

創業間もない会社がいきなりメガバンクに申し込んでも審査のハードルが高いのが実情です。

一方、地域の信用金庫や地方銀行であれば事業内容や地元への貢献度を丁寧に説明することで融資に前向きに取り組んでくれる場合があります。

特に会社の本店所在地が所在するエリアの地銀・信金は営業エリア内の企業を支援したい意向が強いため、訪問しやすさなども含め親身に相談に乗ってもらえることが期待できます。

民間銀行で融資を受ける際は、公庫融資以上に書類の整合性や説得力が必要です。

決算書の数字と事業計画に矛盾がないか、自己資金の額は十分か、保証協会の保証が得られる内容か、といった点を厳しくチェックされます。

また場合によっては担当者がオフィスを訪問(現地調査)することもあります。

レンタルオフィスで執務している場合でも、きちんと業務環境が整っているか、実際に人が働いている様子などを確認されることもあるのです。

日頃からオフィスを整理整頓し、いつ訪問を受けても良いよう準備しておくと安心です。

自治体・金融機関(制度融資による)

各自治体と地元金融機関・信用保証協会が連携して行う制度融資(いわゆる自治体の創業融資制度)も、レンタルオフィス利用企業にとって重要な選択肢です。

自治体ごとに運用ルールが異なり、判断基準にも地域性が出ます。

たとえば、ある市区町村では「市内に実態のある事業所を有すること」が融資利用の条件となっており、単なる登記のみでは不可とされる場合があります。

一方で、別の自治体ではシェアオフィスやレンタルオフィス入居企業でも創業融資対象に含めているケースもあるのです。

自治体の制度融資は、一般に低金利かつ信用保証協会の保証料補助があるなど有利な条件が多い反面、自治体内で事業を継続する意向が重視される傾向です。

そのため、融資後すぐに他地域へ本店を移転するといった計画がある場合、事前に相談しておかないとトラブルになる可能性があります。

しかし、制度融資を利用する際は「少なくとも一定期間(たとえば融資期間中)はその自治体内で事業を営む」という前提で計画を立てるのが安全です。

具体例を挙げると、東京都や横浜市などでは独自の創業支援融資制度があります。

東京都の「東京都中小企業制度融資『創業』」では、融資限度額3,500万円・原則無担保で利用でき、東京信用保証協会の保証料補助も受けられます。

「東京都中小企業制度融資『創業』」制度では「都内に事業所を有すること」が前提です。

また横浜市などは市単位での制度融資や保証協会枠を持っており、横浜市内に本店があると県の保証協会に加え市の保証協会も利用できる(融資枠が広がる)というメリットがあります。

このように、本店所在地によって利用できる融資制度の範囲が変わるため、レンタルオフィス選びの段階で「どの地域で登記するか」を戦略的に考えることも資金調達上は重要なのです。

レンタルオフィスが融資を受けやすくするための準備

レンタルオフィスというオフィス形態そのものは変えられなくても、事前の準備次第で金融機関に与える印象を改善することが可能です。

以下に、レンタルオフィス利用時に融資を受けやすくするために効果的な準備策を挙げます。

  • 事業計画を説明できるようにしておく
  • レンタルオフィスの契約内容を整理しておく
  • 自社の活動実績を示せる資料を用意する

それではここから、こうした準備ポイントについて詳しく見ていきましょう。

なお、サーフィス株式会社は、サービスオフィス分野に特化して、賃貸候補物件の比較・内覧予約・条件整理まで一貫して対応しています。

融資の準備と並行して「今の条件で選ぶべきオフィス」を早めに絞りたい場合は、候補の整理からお手伝いいたします。

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事業計画を説明できるようにしておく

金融機関に融資を申し込む際、「何をして、どう儲けるか」を数字で語れることが極めて重要です。

レンタルオフィス利用であることにかかわらず、事業の収益性を示せなければ融資は受けられません。

したがって、売上計画・収支見通しを盛り込んだ事業計画書を綿密に用意しましょう。

具体的には、今後○年間でどれだけの売上を見込み、経費を差し引いてどの程度の利益が出せるかを月次または年次で示します。

金融機関は計画が実現可能かどうかを厳しく見ます。

そのため、根拠となる市場データや取引先リスト、受注状況なども用意し、質問されたらすぐ裏付けを出せる状態にしておきましょう。

創業期は実績が少ないため、どうしても計画の信ぴょう性が結果を左右します。

たとえば「開業半年後には黒字化し、2年後には年商○○万円に到達する」という計画なら、そのためにマーケティング施策は何を行い、見込み顧客はどのくらいいて、競合と比べて優位性は何か、といった点まで突っ込んで説明できると理想的です。

金融機関担当者に「この計画なら返済可能だ」と納得してもらうことが融資成功のポイントになります。

レンタルオフィスの契約内容を整理しておく

融資面談では、オフィスの契約内容や利用状況を確認されることがあります。

具体的には、以下のような契約内容です。

  • 契約形態(個室か共有か)
  • 契約期間
  • 実際の利用状況
  • 郵便・電話対応の仕組み

契約書をすぐ提出できる状態にし、「どのように日常業務を行っているか」を具体的に説明できるよう準備しておきましょう。

目的は、「住所だけ借りている」のではなく、実際に事業拠点として機能していると示すことです。

自社の活動実績を示せる資料を用意する

金融機関の信頼を得るには、事業の実態を証明する環境や資料が不可欠になります。

レンタルオフィス利用の場合、そこで展開している事業の実績を示すことが何より重要です。

具体的に用意しておきたい資料は次のとおりです。

  • 法人設立登記の履歴事項全部証明書(または個人事業の開業届)
  • 会社名義の事業用銀行口座の通帳(入出金明細)
  • 事業に使用する主な設備や商品が分かる写真
  • 取引内容がわかる契約書や請求書の写し
  • 会社案内のパンフレットや自社ウェブサイトのコピー
  • 事業に関連する許認可証や資格証など

こうした資料があれば、「実際に事業が動いている」ことを客観的に示せます。

金融機関としても「この会社はちゃんと営業しているんだな」と安心材料になるため、書類と口頭説明を一致させ、裏付けの取れる状態を作っておくことが大切です。

融資を見据えてレンタルオフィス選びをしよう!

レンタルオフィスでも融資を受けることは可能です。

ただし、金融機関が審査で重視するのは住所のブランドではなく、事業実態や利用形態、代表者の信用力、担保・保証の状況といった総合的な判断です。

自宅やバーチャルオフィスでの登記、専有スペースのない契約形態、固定電話番号がない場合などは、融資以前に法人口座開設の段階で慎重に見られることがあります。

そのため、事業計画や契約内容、実績資料を事前に整理し、将来的な住所変更リスクまで見据えてオフィスを選ぶことが重要です。

サーフィス株式会社は、2012年からレンタルオフィス/サービスオフィスに特化し、都心主要エリアを中心に多数の紹介実績を持つ専門会社です。

運営するレンタルオフィス/サービスオフィス専門ポータルサイト「サービスオフィス.JP」では、条件整理から物件比較、内覧調整、契約までを一貫して無料でサポートしています。

融資や法人口座開設を視野に入れている場合も、利用形態や契約条件を踏まえた物件選びが可能です。

まずはポータルサイトで、希望エリアや利用人数に合うオフィスを確認してみてください。

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