オフィスの在り方はコロナ禍以降に大きく変化しました。
特に東京都心では、従来の大型オフィスを手放し「縮小移転」や「小規模オフィス」への移転を選ぶ企業が増えています。
リモートワークの定着や働き方の多様化によって、全社員が毎日出社する必要性が薄れたことが背景にあります。
そこで本記事では、オフィス縮小を検討するタイミングやコスト感、具体的な成功事例などを紹介し、経営判断の参考になる情報を解説します。
コロナ禍が収束した2022年以降もオフィス縮小の動きは続いています。
実際、ザイマックス不動産総合研究所が2022年1月に行った「働き方とワークプレイスに関する首都圏企業調査」によると、「オフィス面積を縮小したい」と回答した企業は19.5%と、「拡張したい」の6%を大きく上回りました。
同調査では「現状維持」が62%、「わからない」が12.4%という結果で、依然としてオフィス縮小を検討する企業が拡張希望よりも3倍以上多い状況です。
この傾向は過去の調査から一貫しており、コロナ収束後においても多くの企業がオフィスの縮小を選択肢に入れていることがわかります。
オフィス縮小の背景には、次のように働き方や経営環境の変化があります。
以下からは、オフィス縮小の代表的なきっかけを見ていきましょう。
在宅勤務やハイブリッド勤務の普及で、常時オフィスに出社する社員の数自体が減少しました。
コロナ禍後の調査でも「社員全員が毎日出社する状況に戻したい」と考える企業は2割程度にとどまり、約7割以上は今後もテレワークを併用する意向を示しています。
実際、東京都のデータでもテレワーク実施率は60%を超える水準に達しています。出社人数が減った結果、広いオフィススペースに空きが生じているケースが多く、オフィス縮小で余剰スペースを解消しようとする企業が増加しています。
都心のオフィス賃料や共益費、光熱費といった固定費の負担も、縮小を検討する大きな理由です。広いフロアを使い切れていない場合、無駄な賃料や電気代を払い続けることになります。
面積を小さくすれば賃料は基本的に下がり、光熱費や清掃費などの維持費も圧縮できます。こうしたコスト削減は企業の財務健全化に直結するため、経営判断としてオフィスの縮小が有力な選択肢となるのです。
また、テナント移転時の初期費用を抑える工夫もしやすく、たとえば私たちの提供する「サービスオフィス.jp」では仲介手数料が無料のため、移転時の費用負担をさらに軽減できます。
社員一人ひとりの働き方に対する意識も変化しています。
フレックスタイムや在宅勤務、副業などを取り入れる人が増え、「必ず全員がオフィスに揃う必要はない」という考え方が浸透しました。
企業もこうした変化に合わせ、オフィス環境を柔軟に見直すことが求められています。
オフィス縮小は、テレワークやサテライトオフィスの活用と並行して進めることで、社員が自律的に働く場所を選べる環境を整備できます。
その結果、育児・介護との両立支援やワークライフバランスの向上につながり、優秀な人材の定着や満足度向上にもつながるでしょう。
オフィス規模を身軽にすることは、変化の激しい経営環境に適応する上でも有効です。
必要最小限の自社オフィスに絞り、不足分は外部スペースやサービスを活用すれば、事業の拡大・縮小にも柔軟に対応できます。
固定費を削減して身軽になった企業は、新規事業への投資や不測の事態への備えがしやすくなるでしょう。
つまり、オフィス縮小は単なるコスト削減ではなく、企業の機動力を高める戦略的な手段といえます。
実際、働き方改革やコロナ禍を経て、オフィス戦略に柔軟性を持たせる企業は増加しています。
オフィスを縮小することには、次のように経営に直結する多くのメリットがあります。
ここからは、主なメリットを見ていきましょう。
オフィス縮小最大のメリットは賃料や光熱費など固定費の削減です。
契約面積が減れば毎月の家賃負担が軽くなり、電気・空調代や清掃費用も減少します。
たとえば、東京都心部の平均賃料は坪あたり約2万円とされますが、100坪のオフィスを50坪に縮小すれば年間で1,200万円以上のコスト削減が可能です。
さらに、フロアを減らすことでデスクや椅子、OA機器類も追加購入が不要となり、今後の備品更新コストも抑えられます。
このように縮小で生まれた余剰資金は、事業成長のための投資や従業員への手当に振り向けることができます。
結果的に社員のモチベーションアップや職場環境の向上につながり、経営効率化と企業成長の好循環を生み出せます。
オフィス縮小に伴い、引っ越し費用や原状回復工事費など一時的なコストが発生する点には注意が必要です。
現在のオフィスから退去・縮小する際には、原状回復費や備品撤去費用、不要品処分費などがかかり、移転先では新たに敷金・礼金、内装工事費や搬入費用などが必要になります。
これら初期費用は縮小による年間コスト削減効果で十分回収可能なケースがほとんどですが、事前に見積もって予算計画に入れておくと安心です。
また、移転スケジュールにも余裕を持ち、現在進行中の業務に支障が出にくいタイミングを選ぶ工夫も大切です。
オフィスがコンパクトになることで、社内での物理的な距離が縮まり、自然なコミュニケーションが増える効果も期待できます。
広すぎるレイアウトでは部署間の距離が遠く情報共有に遅れが出やすいですが、縮小したオフィスでは必要な人が近くにいるため意思疎通がスムーズです。
実際、「部署を越えた声かけや相談がしやすくなり、一体感や協働効率が高まった」という声もあります。
密なコミュニケーションにより無駄な会議や報連相の遅れが減り、業務スピードと生産性が上がる効果も報告されています。
オフィス維持に充てていたコストを削減できれば、浮いた資金を戦略的な成長施策に投資できる点も見逃せません。
たとえば、削減分を福利厚生の充実に充てて従業員満足度を高めたり、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進のためのシステム導入に投資したりといったことが可能になります。
事業成長に必要な人材採用や教育研修に予算を振り向ける余裕も生まれるのです。オフィス縮小はコストダウン施策であると同時に、将来への投資原資を生み出す攻めの経営戦略ともいえます。
実際、オフィス縮小をきっかけに生まれた余剰資金を新規事業開発に充当し、競争力強化につなげた企業事例もあります。
固定費を削りつつ成長の種をまける点は、オフィス縮小の大きなメリットです。
オフィスを縮小することには、次のようにリスクや注意点も存在します。
以下からは主なデメリットを説明し、対処法も合わせて解説します。
面積を減らすことで会議室や書類収納スペースが足りなくなる恐れがあります。
オフィス内の作業スペースや会議室をこれまで通り確保できず、打ち合わせ場所の奪い合いや書類・備品の置き場に困るケースです。
特に法令で紙の保管が義務付けられている書類や大型の機材がある場合、縮小後のオフィスだけでは収納しきれない可能性があります。
この対策としては、オンライン会議を活用して物理的な会議室需要を減らす、紙資料を電子化してペーパーレスを推進するなどが有効です。
必要に応じて外部のトランクルームや書庫サービスを利用する手もありますが、その分コストがかかる点も考慮しましょう。
縮小計画段階で、会議の開催方法や資料の管理方法を見直し、収納・スペース不足に備えておくことが大切です。
業績好調で人員が増えたり大型プロジェクトを受注したりした際に、オフィスを再び拡張しなければならなくなるリスクも考えられます。
縮小後のオフィスでは増員や設備増強が難しく、結果的にまた移転や増床が必要になれば、コストや手間が二重に発生してしまいます。
このリスクを抑えるには、オフィス縮小の判断に長期的視点を取り入れることが重要です。
将来の事業計画や採用計画を見据え、「最低限必要な広さ」を見極めましょう。
また、契約面積を柔軟に変更できるサービスオフィスを活用すれば、将来の変化にも対応しやすくなります。
固定費削減のメリットと拡張時のコストを比較し、慎重にプランニングすることが大切です。
オフィス縮小は社員の受け止め方次第でモチベーション低下につながる恐れもあります。
十分な説明がないまま「経費削減のためにオフィスを狭くする」と聞けば、社員によっては「会社が後退しているのでは?」と不安に感じたり、働く環境が悪化することへの不満を持ったりしかねません。
実際、スペースが手狭になることで窮屈さや集中しづらさを感じ、士気が下がってしまうケースも報告されています。
このデメリットを回避するには、オフィス縮小の目的や意義を社員に丁寧に周知することが不可欠です。
「働き方の最適化」や「浮いたコストを成長投資に充てるための前向きな施策」と位置づけて説明し、理解と納得を得ましょう。
同時に、レイアウトの工夫やフリーアドレス導入などで働きやすい環境を整え、社員への配慮を示すことも大切です。
オフィス縮小の手法として、次のパターンがあります。
ここからは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
現在入居しているビル内で、使用中のフロアや区画の一部だけを返却し、契約面積を減らす方法です。
たとえば、2フロア借りている場合に1フロア分を解約するようなケースです。
引っ越しを伴わず同じビル内で完結するため、内装工事や大規模な荷物移動の手間が少なく手軽に実行できるのが特徴です。
固定費である賃料を削減しつつ、住所やビルの立地・アクセスはそのまま維持できるため、従業員や取引先に与える影響も比較的小さく済みます。
注意点としては、ビル管理側が部分解約を認めていない場合や、解約部分の原状回復工事が必要な場合があることです。
契約条件を確認し、管理会社と十分に交渉した上で進めましょう。
現在よりも面積が小さいオフィス物件に移転する方法です。思い切って住所を変えることになりますが、賃料単価の安いエリアに移れば大幅な固定費削減が期待できます。
一方で、オフィス探しや引っ越しに伴う費用・労力、一時的な業務停滞リスクなども発生します。
ただし、近年はリモートワーク普及により「出社する人数に見合ったコンパクトなオフィス」に切り替える企業が増えています。
立地条件を見直すことで利便性とコストのバランス最適化を図れる点も利点です。移転で働き方が変わる場合は、テレワーク規程の整備などのサポートを並行するとスムーズです。
移転自体は大きなプロジェクトですが、信頼できる不動産仲介会社の協力や綿密な計画立案により、コスト削減効果の高い施策となります。
近年注目されているのが、家具や受付・通信設備まで揃ったサービスオフィス(レンタルオフィスやシェアオフィス)を活用する方法です。
必要な期間だけ契約して柔軟に使えるうえ、デスクや椅子、ネット環境などインフラが初めから整備されているため初期費用を大幅に抑えられます。
たとえば、出社頻度に応じてフリーアドレス席や予約制デスクを組み合わせれば、最小限の専有オフィスでも全社員の出社ニーズに対応可能です。
また、自社オフィスとサービスオフィスを併用し、チームやプロジェクト単位で外部スペースを使う運用も増えています。
こうした形なら、自社オフィス縮小後に「スペースが足りない」と感じる場面でも即座に外部拠点で補完できるため安心です。
サービスオフィスの月額費用は固定の賃貸契約より割安な場合も多く、縮小後のコスト削減効果を維持しやすいのも魅力です。
なお、サービスオフィスを利用する際には、「サービスオフィス.jp」のようなポータルサイトを活用すると効率的です。
オフィス縮小を成功させるには、次のように行き当たりばったりではなく段階を踏んで計画的に進めることが重要です。
ここからは、オフィス縮小の一般的な手順を解説します。
まずは今のオフィスの利用実態をデータで把握しましょう。執務スペースや会議室の席が常に何割埋まっているか(在席率)を時間帯や曜日ごとに調べ、どの程度の面積が実際に必要なのかを洗い出します。
感覚だけで「このくらい減らせるだろう」と決めるのはリスクがあります。
たとえば、日中は空席が多くても始業前後には席が足りない可能性もあるため、各時間帯・繁忙期ごとの在席率を計測して余剰スペースを客観的に特定することが大切です。
また、書類保管庫や応接室なども含め、本当に使われているスペースとそうでない部分を仕分けします。
現状分析をしっかり行うことで、どの範囲まで縮小可能かの目安が見えてきます。
分析結果をもとに、「削減可能」と判断したスペースの広さを算出します。
具体的には、在席率や会議室利用率から逆算して何坪まで減らしても業務に支障がないかを見極めます。
同時に、スペースを削減した場合にどの部門・チームが影響を受けるかも洗い出しましょう。
たとえば、保管庫を撤去してペーパーレス化を進める場合には、総務部門の協力が不可欠となります。
縮小後の働き方もシミュレーションしておきます。
テレワーク拡大でオフィス出社が交代制になるのか、席をフリーアドレス化するのか、会議は原則オンラインにするのか、といった運用ルールも合わせて検討します。
不要スペースと影響範囲を事前に把握しておくことで、後述の方法選択や社内周知も円滑に進められます。
削減する面積の目安がついたら、現オフィス内のレイアウト変更で対応できるのか、それとも移転が必要かを判断します。
ビル内での一部解約で済むならレイアウト変更程度で完結できますが、希望の縮小規模によっては別の物件へ移った方が得策な場合もあります。
たとえば、現在のビルが部分解約不可だったり賃料単価が高すぎたりする場合は、小規模オフィス物件への移転も視野に入ります。
サービスオフィスの併用も含めて選択肢を広く検討しましょう。
移転する場合は物件探し・内覧・契約・引越しなど時間がかかる工程が増えるため、早めにスケジュールを引いておきます。
一方、レイアウト変更で対応する場合も、施工業者への発注や社内の席配置見直しなどが必要です。自社の状況に合った方法を選び、必要な工数を把握しておきましょう。
なお、当サイトでは複数のサービスオフィス物件をまとめて比較検討できるプラットフォームを提供しています。
縮小移転先の一つとしてサービスオフィスも含めて探してみると、条件に合う最適な選択肢が見つけやすくなります。
サービスオフィス検索はこちらから
最後に、現在契約している物件の賃貸借契約や管理契約の条件を再確認します。
解約予告の期限がいつまでか、途中解約料や違約金の有無、原状回復義務の範囲、保証金の精算方法などを細かくチェックしましょう。
ビルによっては、解約通知を6か月以上前までに行う必要があったり、一部解約が認められないケースもあります。
また、原状回復には予想以上の費用がかかることがあるため、早めに見積もりを取得しておくと安心です。
管理会社やオーナーに交渉し、条件の緩和が可能かどうか確認することも検討しましょう。
さらに、新オフィスへ移転する場合は新契約の初期費用(敷金・礼金・仲介料など)も計算に入れ、縮小に伴う総コストを正確に算出しておきます。
契約条件の整理と費用試算が完了すれば、社内決裁を経て具体的な実行段階へ移る準備が整います。
オフィス縮小は経費削減の面では効果があります。
しかし、実際に運用してみるとスペース制約ゆえの課題も生じやすい取り組みです。
そこで、縮小後も快適で効率的な職場環境を維持するため、次のような工夫を事前に凝らしておくと良いでしょう。
以下から、縮小成功のポイントとなる施策を詳しく紹介します。
オフィス縮小により席数が限られる中で、スペースを有効に活用するには「固定席」を廃止し、フリーアドレス制を取り入れるのが効果的です。
社員が自分専用の席を持たず、その日出社した人数や業務内容に応じて好きな席を使えるようにします。
これにより、仮に席数が従業員数より少なくても対応しやすくなり、出社率に変動があっても無駄な空席やスペースの偏りを減らせます。
部署をまたいだコラボレーションもしやすくなり、オフィスのコンパクト化がむしろ部署間連携やアイデア交流を促進するという効果も生まれます。
導入にあたっては、ノートPCや個人用ロッカーの整備、座席予約システムの導入といった準備が必要です。
しかし、フリーアドレス制は働き方の柔軟性向上とオフィス空間の効率化の両面でメリットが大きく、検討する価値の高い施策といえるでしょう。
オフィス縮小を成功させている企業の多くはサービスオフィス(シェアオフィスやレンタルオフィス)の併用を行っています。
自社オフィスだけに頼らず、外部のサービスオフィス契約をサテライト的に利用することで、縮小後に生じうる突発的なスペース不足や会議室不足を柔軟に解消できるからです。
サービスオフィスは月額利用料も従来オフィスの賃料より割安なケースが多く、固定費を抑えつつ必要な時だけ追加スペースを確保する運用が可能です。
たとえば「本社は最小限の広さにして足りない部分は都度シェアオフィスで補完する」「主要拠点に小さな本社を構え、各地にシェアオフィス拠点を持つ」といった戦略を取る企業も増えています。
当社が提供する「サービスオフィス.jp」のように、希望条件に合ったサービスオフィスを一括比較できるサイトを活用すれば、適切な併用先をスムーズに探せるでしょう。
オフィスの縮小により会議室の数や広さが限られる場合には、Web会議ツールを積極的に活用することが有効です。
小さなスペースからオンラインミーティングに切り替えれば、大人数用の会議室がなくても問題なく対応できます。
特に、社外との打ち合わせや部署横断型の定例会議はオンライン化することで、移動時間を削減し効率化を図ることも可能です。
さらに、自宅やカフェなどオフィス外からの参加も容易になり、物理的なスペースの制約を超えてコミュニケーションの機会を確保できます。
仮に縮小後のオフィスで「会議室が足りない」と感じる場面があっても、オンライン会議へシフトすることで業務に支障をきたさないよう工夫しましょう。
必要に応じて、防音ブースや個室ブースを設置してオンライン会議専用スペースを作るのも効果的です。
社内コミュニケーションツール(チャットやコラボレーションソフト)も併用し、情報共有の滞りを防ぎましょう。
書類の保管棚やキャビネットが置けないほどオフィスを縮小する場合は、思い切ってペーパーレス化を推進するチャンスです。
紙の資料やファイルはスキャナで電子化し、クラウドストレージや社内サーバーに保存する運用に切り替えます。
大量の書類を収めていた棚を撤去できれば、縮小後のスペースにも余裕が生まれます。
電子データであれば必要な情報をPC上で素早く検索・閲覧でき、業務効率の向上にもつながります。機密文書は権限管理を徹底し、原本保管が必要なものだけを最小限のスペースに集約することが重要です。
また、紙の郵便物をデジタル化して配信してくれるサービスなども活用すれば、社内での紙運用をさらに減らせます。
オフィス縮小プロジェクトを成功させるには、社員の協力と納得感も欠かせません。
そこで、縮小の目的や期待される効果を社内に丁寧に説明・共有するようにしましょう。
経費削減だけを強調するとモチベーション低下を招きかねないため、「働き方の最適化」「生産性向上と成長投資の両立」といったポジティブな位置づけで伝えることがポイントです。
たとえば「オフィスをコンパクトにして浮いた費用で福利厚生を充実させる」「リモートワークとのハイブリッドで働きやすさを向上させる」といったビジョンを示すと良いでしょう。
また、事前に社員から不安や要望をヒアリングして対策に反映させることも効果的です。
座席が減る不安に対してはフリーアドレス導入で対応する、コミュニケーション減少懸念には定期的な対面交流イベントを企画するなど、具体策とセットで説明すれば社員も安心できます。
トップから縮小の意義をメッセージとして発信し、全員で新しい働き方に取り組むんだという前向きなムードづくりを心がけましょう。
オフィス縮小によってコスト削減と経営改革を実現した企業事例として、次の3つを紹介します。
支店の縮小や士業法人の例など規模・業種はさまざま。
いずれもオフィスを見直すことで経営の柔軟性を高めています。以下からは、各社それぞれの取り組みを見ていきましょう。
写真・イラスト素材のオンラインマーケットを運営するピクスタ株式会社では、本社オフィスを約300坪から約100坪へ大幅縮小する移転を実施しました。
東京都渋谷区のオフィス賃料相場に照らすと、縮小前後で月額約670万円ものコスト削減を達成した計算になります。
場所は渋谷エリア内で、アクセス利便性を保ちながら賃料負担を大きく削減することに成功しました。
浮いた資金はサービス強化やマーケティング投資に回し、売上拡大に繋げているとのことです。
オフィスの集約によって社員間の連携も密になり、コミュニケーション活性化という副次効果も得られています。
参考:PR TOMES「コロナから1年、変わるオフィスの在り方と働き方〜面積を3分の1に。ピクスタ社、オフィス縮小移転のお知らせ」
データセンター事業大手のさくらインターネットでは、2020年よりリモートワーク中心の働き方改革を推進し、翌2021年に本社オフィスを縮小移転しました。
単に面積を減らすだけでなく、オフィスの役割を「業務をする場」から「コミュニケーションやイノベーションを生む場」へと再定義しています。
具体的には、人事評価制度にチーム単位の貢献度指標を導入。
オフィスに集まる意義を「チームビルディング」に置き換えました。
リモート環境下でも生産性の高いチーム作りに成功し、縮小後も業績を伸ばしています。
オフィス縮小と働き方改革をセットで進め、むしろ組織力を高めた好例といえるでしょう。
参考:NIKKEI OFFICE PASS「働く場所が分散するWithコロナ時代にマッチ」
日本を代表する大手企業の富士通株式会社も、2020年に「3年以内に国内オフィス面積を現状の50%程度まで縮小する」方針を打ち出しました。
フリーアドレスの全面導入や最先端IoT技術の積極活用など、オフィス改革と働き方改革を並行して推進しています。
実際に不要となったオフィスを順次削減する一方で、在宅勤務環境整備補助金の新設(通勤定期代支給を廃止してリモート手当に転換)やコアタイムのないスーパーフレックス制度を導入。
ほか、多角的な従業員待遇改善を実施しました。
社員の柔軟な働き方が定着し、オフィス利用率を下げながらも生産性を維持・向上させています。
固定費半減で生まれたリソースはDXや新事業領域への投資に振り向け、経営の構造改革にもつなげています。
大企業における大胆なオフィス縮小と働き方変革の成功事例として注目されています。
参考:富士通「Work Life Shift」
オフィス縮小を進める企業に人気のサービスオフィス(レンタルオフィス)のおすすめ施設として、次があります。
縮小時の新しいオフィス候補や、サテライト拠点としての併用先として検討されることが多い施設です。それぞれ特色があります。
自社のニーズに合ったサービスを選んでみてください。
CROSSOFFICEシリーズは、オリックス株式会社が展開する完全個室型の高機能サービスオフィスです。
高い静粛性・セキュリティと必要に応じた拡張性を兼ね備えた個室空間を提供しており、1名から数十名規模まで企業の成長に合わせてフレキシブルに契約できるのが特徴です。
24時間365日利用可能な専用個室に加え、受付のコンシェルジュサービス、充実した会議室やラウンジ、フリードリンクなど共有施設も完備。
非常用の防災備蓄品や文房具類の貸し出しサービスなどビジネスに必要な機能が網羅されています。
プライバシーとセキュリティを重視しながらも必要十分な拡張性を備えているため、成長企業やプロフェッショナルな環境を求める士業法人などに最適でしょう。
Business-Airport(ビジネスエアポート)は東急不動産グループが運営する、高品質でホスピタリティに定評のあるサービスオフィスです。
都心の一等地に複数拠点を持ち、空港ラウンジのような上質で開放感あふれる空間デザインが特徴となっています。
1名用から利用可能な完全個室オフィスに加え、予約制の共用会議室やカフェラウンジも完備。受付にはコンシェルジュが常駐し、来客対応や秘書的サービスなど充実したホスピタリティを提供します。
内装や家具にも高級感があり、来訪者に与えるブランディング効果も高いサービスオフィスです。
契約プランも豊富で、本社利用からサテライトオフィス、プロジェクトルームまで幅広いニーズに対応できます。
H¹Oは野村不動産が提供する、少人数向けに特化した次世代型サービスオフィスです。
最新のIoT技術と充実した共用施設を組み合わせることで、効率的かつ快適なビジネス環境を実現しています。
具体的には、顔認証システムによる非接触セキュリティ入退館や、専用スマホアプリで空調照明を遠隔操作できるIoTプラットフォーム、空気環境を清潔に保つ空間除菌装置の設置など、最先端の設備を完備しています。
さらに有人受付による来客対応、入居者向けのウェルネスフード提供(健康志向のお弁当やデザートを無料提供)や交流イベント開催など、きめ細かなサービスも特徴です。
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ベンチャー・スタートアップ企業や大企業の新規事業担当者、クリエイター、研究機関、自治体など多様なプレイヤーが集いオープンイノベーションを創発する場として位置づけられています。
各拠点とも駅近の便利なロケーションにあり、個室オフィスからコワーキング席までニーズに合わせて利用可能です。
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オフィスとしての機能だけでなく、「人とアイデアが交差する場」を求める企業にとって魅力的なサービスオフィスといえるでしょう。
Aios(アイオス)は、東京都心を中心に展開するサービスオフィスブランドで、立地・設備・サービスのバランスに優れていることが特徴です。
永田町や五反田、銀座、虎ノ門などビジネス街の中心に拠点を置き、コンパクトながら機能的な個室オフィスを提供しています。
「広さよりも機能を追求したオフィス」をコンセプトに掲げており、必要十分な広さに高品質なオフィス家具やインターネット環境、会議室やラウンジなどを備えています。
受付対応や電話代行などの周辺サポートも充実しており、創業間もない企業でも安心してビジネスに集中できる環境です。
賃料水準は同エリアの一般賃貸オフィスより抑えめで、起業家や少人数法人の利用に適したコストパフォーマンスの高いサービスオフィスです。
CompassOffices(コンパスオフィス)は、アジア太平洋地域で多数の拠点を持つ外資系のサービスオフィスプロバイダーです。
東京では主に虎ノ門・六本木エリアに拠点を展開しており、グローバル水準の洗練されたオフィス空間と多言語対応のサービスを提供しています。
たとえば「Compass Offices 虎ノ門40MTビル」は、神谷町駅直結のハイグレードビル内にあり、重厚感ある受付ラウンジや全室家具付きの高機能オフィスが揃っています。
海外企業との取引が多い場合や、英語対応の受付サービスが必要な場合にも心強い存在です。
契約期間やレイアウトの柔軟性も高く、必要に応じて間取り変更や短期契約にも対応してくれる点が特徴です。
世界展開するCompassOfficesならではのネットワークも活かせるため、外資系企業や海外進出を視野に入れた企業に適したサービスオフィスといえます。
WAW(ワウ)は「WorkAndWonder」の頭文字を取った名称で、大手不動産デベロッパーが運営する新しいコンセプトのサービスオフィスです。
たとえば、東京・虎ノ門の「WAW虎ノ門アルセアタワー」は、開放感あふれるオープンスペースとカフェを併設した、クリエイティブな雰囲気が魅力の施設です。
利用者はその日の気分や業務内容に応じて、カフェラウンジや集中ブース、個室などを自由に使い分けられる柔軟性があります。
内装デザインにも凝っており、都会の真ん中にいながらリラックスできる空間づくりがされています。
基本サービスとして24時間利用やセキュリティ完備はもちろん、コミュニティマネージャーによる各種サポート、イベント企画なども行われています。
単なる仕事場を超えた「働く体験」を提供するサービスオフィスとして注目されており、特にクリエイターやIT企業から人気を集めています。
オフィス縮小は単なるコスト削減策ではなく、ポストコロナ時代の働き方の変化に対応し、企業経営をより強化するための手段です。
都心の支店や小規模法人であっても、思い切ってオフィスを縮小・最適化することで、固定費を大幅に削減しつつ事業成長に応じた無理のないオフィス運営が可能になります。
これからの時代、オフィス規模を「大きければ良い」から「最適であることが重要」へと発想を転換し、環境変化に強い経営基盤を築くことが求められるもの。
もっとも、実際にオフィス縮小を進める際には不安や課題もつきものです。
そうした判断の際には、サービスオフィスに特化した情報を集約し、仲介手数料無料で複数物件を案内している当社のサービス「サービスオフィス.jp」をぜひお役立てください。
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