オフィスにはさまざまな種類があり、スタートアップに適している形態も少なくありません。この記事では、スタートアップ向けオフィスの種類と特徴を解説するほか、オフィスの選び方やスタートアップの予算を確保するコツなども紹介します。
スタートアップ向けオフィスの探し方がわからない、オフィスの種類が多くて選べないと困っていませんか。
オフィスにはさまざまな形態があり、それぞれ特徴が異なります。スタートアップ向けのオフィスを探す前に、形態や特徴を把握しておけばスムーズに選べる可能性が高まるでしょう。
そこでこの記事では、スタートアップにおすすめのオフィスやオフィスの探し方をご紹介します。ほかにも予算を確保する方法なども取り上げるので、会社を設立したばかりの人や会社を創業しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
スタートアップにおすすめのオフィスは、以下の6つです。
自由度が高い「賃貸オフィス」
管理が楽な「レンタルオフィス」
人脈作りに「コワーキングスペース」
個室を利用できる「シェアオフィス」
住所だけ確保する「バーチャルオフィス」
仕事サポートが充実な「サービスオフィス」
ここでは、各オフィスの特徴やメリット・デメリットを紹介します。
賃貸オフィスは、賃貸借契約を物件所有者と結び、独占できる空間を確保するオフィスです。オフィスと聞くと、賃貸オフィスを思い浮かべる人も多いでしょう。
賃貸オフィスのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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賃貸オフィスは、自由にオフィスの内装を変更できるほか、セキュリティ面を強化できるメリットもあります。しかし、内装コストなど初期費用が多くかかってしまうデメリットもあります。
レンタルオフィスは、設備や通信環境などがもともと整っているオフィスです。賃貸オフィスと似ていますが、仕事をする際に必要な設備が整備されています。
レンタルオフィスのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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レンタルオフィスは、賃貸オフィスよりもランニングコストが低いメリットがあります。また、設備が整っているため、入居してすぐに仕事を開始できるのもメリットに挙げられるでしょう。
一方、セキュリティ対策の不安や改装の自由度がないデメリットもあります。
コワーキングスペースは、「Co」(共同)+「Working」(働く)+「Space」(空間)からなる造語であり、さまざまな企業が同じ空間で仕事できるように設計されたオフィスです。
コワーキングスペースのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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スタートアップの場合、事業を立ち上げたばかりで人脈などを持っていないことも少なくありません。コワーキングスペースであれば、似たような企業同士でコミュニケーションをとれるので、自然と人間関係が構築されます。
起業セミナーやワークショップなどもよく開催されているため、知識や技術を身につけられるのもメリットです。
一方、人の出入りや周りの声が気になり、業務効率が落ちてしまうデメリットもあります。またフリーアドレス制なので、利用者が多いときは座席が空いていない可能性もあります。
シェアオフィスは、ワンフロア内のスペースをさまざまな企業と共同で利用できるオフィスです。コワーキングスペースと似たようなオフィス形態ですが、シェアオフィスには個室が設けられているケースもあります。
シェアオフィスのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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オープンなスペースになっているシェアオフィスは、ほかの業種の人と交流できます。そこで仲良くなれば、ビジネスパートナーを作ることも可能です。
また、シェアオフィスの多くが駅近の好立地であり、通いやすいのも利点といえるでしょう。
しかし、個室はあるもののセキュリティーやプライバシーに不安はあります。シェアオフィスによっては、法人登記や会議室の設備はオプションになっていることもあるため、追加料金がかかるのもデメリットといえます。
バーチャルオフィスとは、事業で住所が必要になったときに利用できる仮想上のオフィスです。住所の提供以外にも、郵便物の転送や電話対応などをおこなっているバーチャルオフィスもあります。
バーチャルオフィスのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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バーチャルオフィスは、事業の住所と自宅の住所を分けられるため、個人情報の漏えい防止につながります。また、都市部などの住所に設定すれば、取引先から信頼を得やすいでしょう。
ほかにも、レンタルオフィス併設型の場合は、会議室を利用できるメリットもあります。
一方、ほかの会社と住所が重複するときもあるので、取引先から不信感を抱かれる可能性があります。さらに、個別の占有スペースが必要な業種では、バーチャルオフィスを利用して開業するのは難しいのもデメリットです。
サービスオフィスは、仕事に必要な設備や受付機能、セキュリティ対策などが整備されているオフィスです。レンタルオフィスに似ていますが、サービスオフィスではビジネスに適したサービスが提供されています。
サービスオフィスのメリットとデメリットを見てみましょう。
メリット |
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デメリット |
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サービスオフィスの利用料には、ランニングコストなどが含まれているため、オフィスを賃貸するよりも安い傾向にあります。また個室も利用できるので、セキュリティー面の心配も少ないでしょう。
最大のメリットは、受付や郵便物の受け取りなどに対応しているなど、仕事に関するサポートが充実していることです。
ただし、ビジネス上のサポートが多い分、コワーキングスペースなどのシンプルなオフィスよりも利用料が高く設定されています。内装も自由に変更することはできません。
スタートアップに向いているオフィスにはさまざまな種類があるため、どのように選んでよいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで、スタートアップ企業のオフィスの選び方をご紹介します。
仕事がはかどる立地か
長期的なオフィスの維持費用は安いか
必要な広さや設備を確保できるか
それぞれ順に見ていきましょう。
スタートアップ企業がオフィスを選ぶ際は、立地を確認するのが重要です。出社する人が通勤しやすい立地であれば、ストレス軽減につながります。
ほかにも食事処やカフェなど、休憩時や打ち合わせなどで利用しやすい施設が周辺にあるかも確認しましょう。取引先や金融機関などが近い場所にあれば、仕事をスムーズに進めることが可能です。
オフィスにかかる費用も選ぶときにチェックする部分です。スタートアップの場合は、オフィスに予算をかけられないときもあるため、レンタル料や賃料を必ず確認しましょう。
初期費用だけでなく維持費用も考慮して選ぶのも重要です。長期的にみて安く、予算内におさまるかどうかをチェックしてください。
オフィスの広さや用意されている設備もチェックポイントです。従業員の人数に応じてある程度の広さがないと、仕事に支障が出てしまいます。また、必要設備がない場合は購入するための費用がかかります。
法人登記できないオフィスもあるため、事前にホームページなどで確認しておくことをおすすめします。
オフィス選びに自信を持てない場合は、以下の方法が有効です。
オフィスの比較サービスで厳選
オフィス移転サービスを利用
オフィスに強い不動産会社に相談
さまざまなオフィスを比較できるサービスを利用すれば、立地や料金、付帯サービスなどをひと目で比較できるため、自社に合ったオフィスを見つけやすくなります。
オフィス検索・比較サイトのサービスオフィス.JPは、賃料や広さ、目安初期費用などの条件を指定することで、サービスオフィスを一度に比較検討できます。
ひとつずつオフィスを調べるのは大変な作業なので、比較サービスを活用してスタートアップ向きのオフィスを見つけましょう。
賃貸オフィスの利用を検討している場合は、オフィス移転サービスの利用がおすすめです。オフィス移転サービスは、オフィス探しからレイアウトデザイン、各種工事の発注まで、トータルでサポートしてくれます。
また、トータルサポートによって無駄な費用や手間を抑え、自社でオフィス移転するよりもコストを削減できる可能性があります。
オフィス移転サービスは、物流業界の会社やオフィス家具の会社などで提供されているので、気になる人は一度確認してみましょう。
オフィスの契約に長けている不動産会社に相談するのもおすすめです。仲介数が多い、仲介手数料が無料、スタートアップ・ベンチャーに特化しているなど、会社ごとに強みが異なるため入念に選んでから相談しましょう。
また、各不動産会社が運営しているサイトには、公開されていない優良な物件もあります。直接不動産会社に相談することによって、検討できる物件の幅が広がるでしょう。
事業をはじめるためには、オフィスの利用料以外にもさまざまな費用がかかります。スタートアップの場合は、予算に苦しむことも少なくありません。
そこで、スタートアップが予算を確保するための工夫をご紹介します。
業務のデジタル化
スタートアップ向けの補助金・助成金を活用
クラウドファンディングで資金調達
デジタル化を推進することによって、コストを削減できます。たとえば、ペーパーレス化を進めれば各種書類の保管スペースが不要になり、広いオフィスを利用せずに済むため賃料を抑えられます。
また、インターネットやITツールを活用してテレワークできる環境を整備すれば、オフィスに従業員全員分のスペースを用意する必要がありません。予算を確保するために、積極的に業務のデジタル化を進めましょう。
各省庁では、スタートアップのための補助金や助成金を用意しています。補助金や助成金は融資とは異なり、返済義務がありません。各省庁が主導でおこなっているおもな補助金・助成金は以下のとおりです。
補助金・助成金 | 内容 |
IT導入補助金 | ITツールなどの導入をサポートしてくれる補助金 |
ものづくり・商業・サービス補助金 | ものづくりをサポートしてくれる補助金 |
トライアル雇用助成金 | 職業経験などのない求職者を一定期間雇用することで支給される助成金 |
中途採用等支援助成金 | 中途採用を拡大した事業主に支給される助成金 |
ほかにも、各自治体には独自の補助金や助成金があるため、適用できるものがないか確認してみましょう。
また、特定の企業がスタートアップ向けに無料でオフィスを提供するサービスを展開しています。各省庁や自治体だけではなく企業の無料サービスもチェックして、予算の確保を目指しましょう。
クラウドファンディングを利用して予算を確保することも可能です。クラウドファンディングとは、プロジェクトを立ち上げインターネットを通じて支援を呼びかけ、賛同者から資金を集める方法です。
クラウドファンディングは、プロジェクトによっては少額からはじめられるので、会社側も支援者も気軽に利用できるメリットがあります。ただし、目標金額に届かなければ支援を受けられないため、資金を調達できません。
クラウドファンディングを成功させるためには、サイトごとの得意分野を理解して相性のよいサイトを選び、魅力的なプロジェクトページを作成することが大切です。
最後に、スタートアップでよくある疑問について回答していきます。
事業のためにオフィスは必要なのか?
スタートアップのオフィスの相場は?
オフィスを構えるおすすめエリアは?
オフィス入居前の注意点は?
事業のために必ずしもオフィスが必要とはいえません。エンジニアやクリエーターなど、テレワークだけで完結できる仕事は多いからです。
しかし、オフィスがあれば従業員同士に信頼関係が生まれ、仕事をしやすくなる可能性もあります。コミュニケーションも活性化し、何気ない会話からアイデアやビジネスプランを創出できるでしょう。
また、高いセキュリティ対策が求められる事業や、人の感情を読み取る繊細な対応が必要な仕事は、オフィスや拠点が必要です。オフィスを構えるかどうかは、事業内容によって判断するのがおすすめです。
スタートアップ向けオフィスの相場は、以下のとおりです。
オフィスの種類 | 賃料の相場 |
賃貸オフィス | 1坪あたり1~6万円程度 |
レンタルオフィス | 1坪あたり2~3万円程度 |
コワーキングスペース | 月5千~4万円程度 |
シェアオフィス | 月5千~4万円程度 |
バーチャルオフィス | 月1千~1万円程度 |
サービスオフィス | - |
コワーキングスペースやシェアオフィス、バーチャルオフィスなどの簡易なオフィスは安い傾向にあります。
ただし、オフィスを探すときは、賃料だけではなく設備や付帯サービスなど総合的に見ることが大切です。
オフィスを構える場所は、都内の人気エリアがおすすめです。人気エリアとおすすめする理由を見てみましょう。
都内の人気エリア | おすすめする理由 |
丸の内 | 国内屈指のビジネス街でイメージアップを狙えるため |
虎ノ門 | 再開発が進み、格式の高いイメージを持たれやすいため |
渋谷 | レンタルオフィスやコワーキングスペースが多いため |
新宿 | 中小企業やスタートアップも多いため |
日本橋 | 古いビルの建替えが進み、新しいビルにはさまざまな会社を受け入れる傾向にあるため |
六本木 | ベンチャー企業が集まっているため |
晴海 | 交通網の拡充計画があり、ビジネス街として発展が見込まれるため |
どのエリアも人が集まりやすい駅近の好立地です。また、成長企業も多い傾向にあります。
オフィスを借りる前には、実際に訪問して物件を確認しましょう。インターネット上でもオフィスの様子をチェックできますが、細かい部分まではわかりません。
オフィス内見時のおもなチェックポイントは以下のとおりです。
共用部分の管理は行き届いているか
同業他社や取引先などが同じビル内に入居していないか
会社のイメージに合った外観になっているか
エントランスは明るくて清潔感があるか
エレベーターの台数は多いか
天井は低すぎないか
空調は手入れされているか
トイレの機能性は高いか など
内見で不明点があるときは、同伴しているスタッフに相談しましょう。
スタートアップに向いているオフィスはさまざまあります。安価で利用できるオフィスや仮想上のオフィス、ビジネスに適した設備のあるオフィスなど特徴が異なるため、選ぶ前にしっかりと調べておくことが重要です。
オフィス選びに自信のない人は、オフィス探しから移転までトータルでサポートしてくれるオフィス移転サービスの利用がおすすめです。オフィスに強い不動産会社に相談するのも有効です。
オフィスを比較して選びたいときは比較サービスを利用しましょう。オフィス検索・比較サイトのサービスオフィス.JPは、賃料や広さなどの条件を指定することで一度に比較検討できます。
サービスオフィスを複数棟、比較検討できます。
気になる物件を選び、条件や設備などの違いを確認してみましょう。一覧表で比較ができる便利な機能です。比較資料としてご利用ください。